地方気象台

地方気象台とは

地方気象台は、気象庁の地方支分部局の一つであり、地域における気象業務の中核を担う機関です。各都道府県に原則1つずつ、北海道には6つ、沖縄県には3つ、合計50か所が設置されています。これらの気象台は、地域住民の安全・安心な生活を支えるため、日々の気象観測、防災情報の発表、天気予報の提供など、多岐にわたる業務を行っています。

沿革

地方気象台の歴史は、明治時代の近代気象業務の開始に遡ります。当初は、府県や民間が運営する測候所として設立され、その後、国営に移管されていきました。以下に、地方気象台の主な変遷をまとめます。

1939年（昭和14年）11月1日：中央気象台名古屋、金沢、米子、沖縄支台、仙台測候所が、それぞれ名古屋、金沢、米子、沖縄、仙台地方気象台に改称。
1943年（昭和18年）11月15日：金沢、米子地方気象台がそれぞれ測候所に改称。一方で、新潟、広島測候所が地方気象台に改称。
1945年（昭和20年）8月11日：仙台、名古屋、広島地方気象台、高松測候所が、仙台、名古屋、広島、高松管区気象台に改称。
1946年（昭和21年）6月27日：新潟地方[[気象台]]が新潟管区気象台に改称。
1949年（昭和24年）11月1日：新潟、名古屋、広島、高松管区気象台が、再び地方気象台に改称。
1952年（昭和27年）4月：鹿児島測候所が鹿児島地方気象台に改称。
1957年（昭和32年）9月1日：全国各地の測候所が地方気象台に改称。これにより、現在の地方気象台の体制がほぼ確立。
1972年（昭和47年）5月15日：沖縄の本土復帰に伴い、沖縄の気象台が地方気象台に改称。
2013年（平成25年）10月：函館、神戸、長崎海洋気象台が、それぞれ地方気象台に改称。

これらの変遷を経て、地方気象台は、地域に根差した気象観測・情報発信の拠点として、その役割を強化してきました。

業務内容

地方気象台は、以下の主な業務を行っています。

防災情報の発表：地域住民の安全を守るため、注意報・警報などの防災情報を発表します。これにより、災害発生のリスクを早期に伝え、住民の避難行動を支援します。
天気予報の発表：日々の生活や経済活動に必要な天気予報を提供します。これにより、住民は適切な行動計画を立てることができます。
気象・地震の観測：気象や地震の状況を観測し、これらのデータを気象庁本庁へ報告します。観測データは、天気予報や防災情報を作成する基礎となります。
測候所の監理：一部の地域では、測候所が警報類の発表を分担しており、地方気象台はこれらの業務を監理し、必要に応じてバックアップを行います。

地方気象台は、地域ごとの気象特性を把握し、それぞれの地域に特化した情報提供を行うことで、住民の安全確保に貢献しています。

組織

地方気象台の組織は、国土交通省設置法、国土交通省組織令、気象庁組織規則に基づいて構成されています。主な役職は以下の通りです。

台長：地方気象台の長として、業務全体を統括します。
次長：台長を補佐し、業務を円滑に進める役割を担います（南大東島地方気象台を除く）。
広域防災管理官：大規模な災害が発生した場合の防災対応を統括します（新潟、名古屋、広島、高松地方気象台のみ）。
気象防災情報調整官：気象に関する防災情報の調整を行います（新潟、名古屋、広島、高松、鹿児島地方気象台のみ）。
地震津波火山防災情報調整官：地震、津波、火山に関する防災情報の調整を行います（新潟、名古屋、広島、高松、鹿児島地方気象台のみ）。
業務・危機管理官：業務の遂行と危機管理を担当します。
防災管理官:防災業務を遂行します。
観測予報管理官:観測予報業務を遂行します。

これらの役職を中心に、各地方気象台は、地域に密着した気象サービスの提供に努めています。

各地方気象台と管轄区域

以下に、各地方気象台とその管轄区域を示します。

気象庁（本庁）:全国予報中枢及び関東甲信地方予報中枢官署。
札幌管区気象台:北海道地方予報中枢官署。
函館地方気象台
旭川地方気象台
室蘭地方気象台
釧路地方気象台
網走地方気象台
稚内地方気象台
仙台管区[[気象台]]:東北地方予報中枢官署。
青森地方気象台
盛岡地方気象台
秋田地方気象台
山形地方気象台
福島地方気象台
東京管区気象台:
水戸地方気象台
宇都宮地方気象台
前橋地方気象台
熊谷地方気象台
銚子地方気象台
横浜地方気象台
甲府地方気象台
長野地方気象台
新潟地方[[気象台]]:北陸地方予報中枢官署。
富山地方気象台
金沢地方気象台
福井地方気象台
名古屋地方[[気象台]]:東海地方予報中枢官署。
岐阜地方[[気象台]]
静岡地方気象台
津地方気象台
大阪管区気象台:近畿地方予報中枢官署。
彦根地方気象台
京都地方気象台
神戸地方気象台
奈良地方気象台
和歌山地方気象台
広島地方気象台:中国地方予報中枢官署。
鳥取地方気象台
松江地方気象台
岡山地方[[気象台]]
高松地方気象台:四国地方予報中枢官署。
徳島地方気象台
松山地方[[気象台]]
高知地方気象台
福岡管区気象台:九州北部（山口含む）地方予報中枢官署。
下関地方気象台
佐賀地方気象台
長崎地方気象台
熊本地方気象台
大分地方気象台
鹿児島地方気象台:九州南部地方予報中枢官署。
宮崎地方気象台
沖縄気象台:沖縄地方予報中枢官署。
宮古島地方気象台
石垣島地方気象台
南大東島地方気象台

これらの地方気象台が、地域ごとの気象特性に応じた情報を提供することで、国民生活の安全・安心を支えています。

まとめ

地方気象台は、地域における気象観測、防災情報の発信、天気予報の提供など、重要な役割を担う機関です。その歴史や組織、業務内容を理解することで、より一層、気象情報への関心を深めていただければ幸いです。

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