坂本文次郎

坂本文次郎：プロ野球界のレジェンド

坂本文次郎（さかもと ぶんじろう、1926年3月15日 - 1994年11月25日）は、和歌山県和歌山市に生まれた内野手で、日本のプロ野球界において重要な人物です。社会人野球から始まり、1951年に大映スターズに入団。彼の野球人生は、数々の偉業と記憶に残る活躍に彩られています。

経歴と成績

坂本は旧制海草中学を卒業後、日本発送電と海南日東紡を経て大映スターズに入団しました。1951年のシーズンでは、主に三塁手として起用され、31位の打率.242で規定打席に達しました。1953年には全試合に出場し、打率.280を記録。これは彼が持つ記録の一つで、1954年のシーズンでは三塁手として最大の補殺数を達成し、今でもこの記録は日本のプロ野球史に残るものです。

1955年には自己最高の打率.295を残し、12位にランクイン。彼は1958年まではレギュラーとして君臨しましたが、同年の終盤には新たな選手が台頭し、ポジションを失いました。しかし、1960年には再び復調し、二塁手や遊撃手として96試合に先発出場。チームを初のリーグ優勝に導く活躍を見せました。

主な記録

坂本の記録の中でも特に注目されるのは、1957年10月に達成した2試合連続満塁本塁打と、1954年には10打席連続安打を記録しました。これらは日本プロ野球史上初の偉業であり、彼の名は語り継がれています。

また、彼は早打ちで知られ、出塁率と打率の差がほぼないという特徴がありました。出塁率と打率の差（IsoD）は0.029という数字で、これは多くの歴代選手の中でも低い部類に入ります。

指導者としてのキャリア

引退後は、大毎、東京、ロッテで内野守備走塁コーチを務め、その後近鉄にて1983年まで指導に従事しました。彼の指導者としての手腕は高く評価され、特に無名時代の野茂英雄に早くから目をつけ、その成長を支援したことでも知られています。

人間関係と影響

坂本は、同じくプロ野球選手だった西本幸雄との親交が深く、「ニシさん」「ブンちゃん」と呼ぶほどの仲でした。奇しくも二人は共に11月25日に旅立ったことが多くの人々に知られています。また、近鉄の選手だった梨田昌孝は、坂本が西本監督の意向を常に察知し、チームを支えていたと証言しています。彼の献身的な姿勢は選手たちにも良い影響を与え、チーム全体の雰囲気を良くしていました。

坂本文次郎は、プロ野球界において素晴らしい選手であり指導者でもありました。その業績は今後も語り継がれ、多くの後輩たちにとっての手本となるでしょう。

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