坂本財

坂本 財（さかもと の たから）

坂本財は、飛鳥時代の重要な人物であり、その存在は671年の壬申の乱という歴史的な事件を通じて顕著に示されています。彼の姓は臣であり、冠位は大錦上で、死後には小紫の位が贈られています。

出自

坂本氏は紀氏と同じ祖先を持つ皇別の氏族であり、その起源は紀角の玄孫である建日が和泉国和泉郡坂本郷に居住していたことに由来しています。このことから、坂本という姓が彼らに与えられたとされています。皇別氏族としての坂本氏は、古代日本の貴族階級に位置づけられ、その影響力を持っていました。

経歴

壬申の乱は、672年に発生し、日本の歴史の中で非常に重要な出来事です。この年の6月29日、大伴吹負が兵を挙げ、倭京を占領した際、坂本財は彼の軍に参加していました。彼らは北へ進軍し、河内からの敵との接触を試みます。7月2日、吹負は河内から大軍が来るとの情報を受け、迅速に三つの部隊を編成し、敵の侵入を防ぐための準備を行いました。

坂本財は、長尾真墨や倉墻麻呂、民小鮪、谷根麻呂と共に、竜田に向かう三百人の指揮官の一人として活躍します。この部隊は平石野で宿営した後、高安城の敵軍に直面し、高地へ登ってその動向を探ることとなります。その際に、近江軍の一部は先に税倉を焼き、その後逃げ去る様子が見られました。

その翌日、坂本たちは、西方から迫る壱伎韓国の大軍を発見しました。城を下りて衛我河を渡り、川の西側で戦闘が繰り広げられましたが、結局敗北し、坂本たちは紀大音が用意した陣営へと退却しました。申年の戦闘はその後も続き、坂本財は大伴吹負の指揮下で戦い続けたと考えられますが、その詳細は『日本書紀』などの記録には残されていません。

坂本財は戦の結果、672年5月29日に大錦上の冠位で亡くなりました。彼の壬申の年における功績により、小紫の位が贈られ、その名声は歴史に刻まれることとなります。坂本財の貢献は、彼が生きた時代の武士としての役割や忠誠心を示す重要な要素となっています。

参考文献

• - 宝賀寿男『古代氏族系譜集成』古代氏族研究会、1986年

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