坂東新悟

坂東新悟（ばんどう しんご）

坂東新悟は1990年12月5日、生まれた日から歌舞伎の血を引く俳優です。彼の屋号は「大和屋」。東京都出身で、歌舞伎役者の世襲に生まれた特異な経歴を持ち、注目される若手の女形の一人です。彼の家族もまた、舞台芸術に深く関わっており、特に父は名高い歌舞伎役者・坂東彌十郎です。祖父は映画スターとして知られた坂東好太郎、祖母は著名な女優という素晴らしいバックグラウンドを持つ彼は、幼少期からその才能を開花させてきました。

来歴と受賞歴

彼の初舞台は1995年、歌舞伎座で上演された作品『景清』の中で、敦盛の子ども役を演じた場面でのことでした。この時、初舞台口上も果たしており、その堂々たる姿は観客の心に強く印象に残りました。さらに、1999年には国立劇場特別賞を受賞し、その才能と努力が早くも認められました。

2012年には名題昇進を果たし、その後もそのスタンスを保ちながら多くの舞台で活躍を続けてきました。特に2014年には父との自主公演「やごの会」を立ち上げ、さらなる表現力を磨く機会を広げています。また、海外でもフランスやスイス、スペインなどでの公演を成功させ、国際的な活躍も注目されています。

2018年には重要無形文化財に認定され、伝統歌舞伎保存会の一員となるなど、その地位を確立しています。2023年11月にはNHKのドラマ『大奥』に出演し、ついにテレビドラマデビューを果たしました。この役に関して家族への事前報告がなかったため、父がニュースで初めて知り驚きを隠せなかったというエピソードも話題を呼びました。

人物像

坂東新悟はその長身（179cm）が際立ち、父譲りのスタイルを持つ若女形の役者です。彼の演じる役は傾城や町娘に留まらず、古典から新作歌舞伎に至るまで多様なキャラクターを演じています。また、立役にも挑戦し、今後が非常に楽しみな存在です。

学歴は攻玉社中学校・高等学校を卒業し、幅広いお稽古事に励んできました。日本舞踊、長唄三味線、お囃子、箏曲、常磐津節など、さまざまな技術を身につけ、歌舞伎界に新たな風を吹き込んでいます。

趣味は読書や野球観戦であり、歌舞伎界の仲間とも草野球を楽しむなど、オフの時間も充実させています。また、若手役者たちで「歌舞伎ダーツクラブ」を作り、仲間とのつながりを大切にしています。

彼は昭和の名優である六代目尾上梅幸を尊敬し、その演技スタイルから学ぶ姿勢を持っており、その影響はあらゆる演技に反映されています。加えて、年齢が近い二代目坂東巳之助と非常に親しく、共演する機会も多く、共演を通じて相互に刺激し合っていることでしょう。

2024年には一般女性との婚約をし、結婚の発表も行いました。私生活でも新たなスタートを切る彼の活躍から目が離せません。坂東新悟は、これからの歌舞伎界においてますます不可欠な存在となることでしょう。

もう一度検索