坂田三吉 (ドカベン)

坂田三吉（さかた さんきち）

坂田三吉は、人気漫画『ドカベン』に登場する架空の野球選手で、大阪府・通天閣高校のエースとして知られています。彼は左投左打の投手で、その長身から繰り出される速球が何よりも魅力です。特に、彼の特徴的な投球フォームはゴルフスイングのようで、高さ100メートルを超える超フライを打ち上げ、スライスしながら落下していくという独自の打撃スタイル「通天閣打法」が注目されます。この打法は、落球を誘い、ランニングホームランを狙うことを可能にしました。

人物背景

坂田は通天閣を眺める大阪・ミナミの長屋で、祖母のお鹿バアと共に生活しています。彼の日々の体力作りは、野良犬に投石して捕まえていた子供時代の苦労から来ており、その結果、速球とコントロールの技術が磨かれました。性格は一部金銭に対して執着が見られるものの、心優しい側面もあり、特に肩を怪我していた里中に密かに整体師を紹介するエピソードは、その人情深さを物語っています。

坂田の名前の由来は、通天閣に記念碑のある将棋の名棋士、坂田三吉から取られています。また、彼のお鹿バアは演劇『がめつい奴』のキャラクターがモデルとなっていると言われています。初期の作品では、犬を投石で捕まえ、その生計の助けとして売っていた描写がありますが、後の版では問題視され、修正されました。

高校時代の活躍

坂田の高校時代には、数々の輝かしい実績がありました。1年生の夏の大会では、浪商との決勝で完全試合を達成。甲子園では明訓高校と対戦し、一時は先制されるも、9回に自らの通天閣打法で同点に追いつきましたが、最終的には敗北しました。2年生の夏に行われた甲子園では、弁慶高校に勝利し、決勝では甲府学院を相手に22三振を奪い、見事に優勝を果たしました。しかし、3年生の春には明訓高校に再び挑むも敗れ、夏の大会でも南波高校に敗北するなど、波乱の展開が続きました。

プロ入り後の経歴

坂田は1995年に近鉄バファローズからドラフトで指名を受けてプロ入りします。ルーキーとして開幕戦に登板し、プロの第一歩を踏み出しましたが、同じ年のルーキーである不知火守にノーヒットノーランを達成され、初めての試合で敗戦投手となってしまいました。その後、チームメイトである広仲塁と共にバッテリーを組み、1996年の開幕戦では通天閣投法を駆使しながら、以前の同僚との対決を果たしました。

1997年には、チームの移転に伴い野手に転向し、外野手として活躍。1998年には里中智から三振を喫するなどの苦しい時期もありましたが、2004年には四国アイアンドッグスに移籍し、左翼手としてレギュラー出場を果たしました。

成績と記録

高校時代には完全試合や甲子園大会での22奪三振など多くの記録を残しました。背番号は、プロ入りから存在し続けた01と、移籍後の7があり、彼のキャリアを象徴しています。アニメ版では声優の安原義人、ゲーム版では千葉繁が担当しており、多くのファンに親しまれています。

坂田三吉は、その独特のスタイルと人間味あふれるキャラクターで、漫画『ドカベン』において魅力的な生命を吹き込まれた存在です。

もう一度検索