坂町機関区

坂町機関区

坂町機関区は、かつて新潟県岩船郡荒川町（現在の村上市）坂町に位置していた、日本国有鉄道（国鉄）の機関区です。坂町駅に隣接し、羽越本線の貨物列車用D51形蒸気機関車や、米坂線用9600形蒸気機関車の拠点として重要な役割を果たしていました。

歴史

1933年（昭和8年）11月: 新津機関区村上機関支区坂町駐泊所として開設。
1938年（昭和13年）3月1日: 新津機関区村上機関支区が村上駐泊所に降格。同時に、新津機関区村上支区坂町駐泊所が坂町機関区に昇格。
1964年（昭和39年）1月10日: 15年間運転無事故記録を達成。
1985年（昭和60年）3月14日: 坂町機関区が廃止され、東新潟機関区坂町派出所となる。
1987年（昭和62年）4月1日: 新津運転区坂町派出所に改称。
1991年（平成3年）11月: 新津運転所坂町派出所に改称。
1997年（平成9年）2月: 新津運輸区坂町派出所に改称。
1999年（平成11年）12月: 坂町派出所は廃止され、運転士は新津運輸区に編入されました。

所属車両

蒸気機関車

870形（在籍1934年 - 1935年）
8620形（在籍1938年 - 1943年）
6250形（在籍1940年 - 1941年）
C56形（在籍1938年 - 1939年、1955年）
2120形（在籍1933年 - 1955年）
D51形（在籍1943年 - 1972年）
* 9600形（在籍1951年 - 1972年）

配置車両に表示される略号は「坂」でした。

現在の状況

機関区廃止後も、転車台や給水塔が残存しています。特に転車台は補修・整備され、羽越本線で運行される「SL村上ひな街道号」などの蒸気機関車牽引列車（SL列車）の方向転換に活用されています。しかし、転車台の動力は老朽化のためか、人力も併用されています。給水塔は現存していますが、現在は使用されておらず、「SL村上ひな街道号」への給水は近隣の消火栓から行われています。扇形庫の一部も近年まで残っていましたが、現在は解体されています。

動態保存機であるD51 498は、現役時代最後の配置区が坂町機関区でした。1990年3月には「SLうるおいの新潟号」を牽引し、新津 - 坂町間を走行。当時の坂町派出所で方向転換と給水を行い、「里帰り」を果たしました。

D51 735号機の保存

村上市荒川総合体育館のそばには、旧坂町機関区ゆかりのD51形蒸気機関車、D51 735号機が静態保存されています。この車両は、信越本線（直江津 - 新津・東新潟操車場間）、羽越本線、白新線で活躍しました。長野工場式変形デフを装備し、屋根とシャッター付きの建物の中で、美しい姿を保っています。年に数回、旧坂町機関区のOBによって清掃・点検が行われ、一般公開は毎年11月3日の文化の日の前後の時期に行われます。

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