坂部恵

坂部恵について

坂部恵（さかべ めぐみ）は、1936年2月11日、神奈川県に生まれた日本の哲学者であり、東京大学の名誉教授として知られています。彼は非常に影響力のある思想家であり、特にイマヌエル・カントや和辻哲郎の研究を通じて、日本の哲学界に大きな足跡を残しました。

学歴と職歴

坂部は成蹊小学校から成蹊中学校・高等学校を経て1965年に東京大学文学部哲学科を卒業しました。その後、大学院人文科学研究科の博士課程に進みましたが、1965年に満期退学します。以降、國學院大學や東京都立大学、東京大学にて講師・助教授・教授として教鞭をとり、1997年には東京大学を定年退官し、その後桜美林大学で教授を務めました。

研究と受賞歴

彼の研究対象は主にイマヌエル・カント、和辻哲郎、九鬼周造ですが、特に和辻哲郎の著作を基にした1976年の『仮面の解釈学』は評価され、哲学奨励山崎賞を受賞しました。また、1986年には『和辻哲郎』の著作でサントリー学芸賞を受賞しました。さらに、2001年には紫綬褒章を授与され、彼の学問に対する評価は高かったことが伺えます。

主な著書

坂部は多くの著書を持ち、以下はその一部です：

• - 『仮面の解釈学』（1976年、東京大学出版会）
• - 『理性の不安 - カント哲学の生成と構造』（1976年、勁草書房）
• - 『和辻哲郎 - 異文化共生の形』（2000年、岩波現代文庫）
• - 『〈しるし〉〈かたり〉〈ふるまい〉』（2006年、岩波書店）など。

これらの著作は、カントの哲学や日本の哲学についての深い洞察を提供し、多くの読者に影響を与えています。特に『カント全集』の監修に関わったことは、彼の学問的貢献の一環といえます。

晩年と追悼

坂部は晩年になっても活動を続け、彼の集大成として『坂部恵集』が2006年から2007年にわたって出版されました。また、2009年6月3日、彼は神経膠芽腫という病により逝去しました。彼の死は多くの人々にとって大きな損失であり、2011年には追悼出版『坂部恵 精神史の水脈を汲む 別冊水声通信』が発行され、彼を偲ぶ手記や論考が収められました。

まとめ

坂部恵は、日本の哲学界において非常に重要な役割を果たしてきました。彼の著作や教育活動は、後世においても多くの影響を与え続けることでしょう。彼の研究や業績は、哲学だけでなく、文化や社会に対する考察とも深く結びついており、多くの人々に新たな視点を提供しています。

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