坂間棟治

坂間棟治（さかま むねじ）は、1886年（明治19年）に神奈川県で生まれ、1974年（昭和49年）に生涯を閉じた内務官僚、政治家です。東京帝国大学法科大学政治学科を卒業後、内務省に入省し、地方官僚としてキャリアをスタートさせました。1913年には高等文官試験に合格し、岐阜県属を皮切りに、岐阜県内務部地方課長、大阪府内務部学務課長兼救済課長、富山県警察部長、愛媛県内務部長などを歴任しました。

その後、宮城県、香川県、広島県、兵庫県の内務部長を歴任し、1931年（昭和6年）には大阪府内務部長に就任。1932年（昭和7年）には高知県知事、1935年（昭和10年）には岐阜県知事を務めました。同年、大阪市第1助役として大阪市に迎えられ、1936年（昭和11年）には、第9代大阪市長に就任しました。

市長在任中は、大阪の都市基盤整備に力を注ぎました。1937年には大阪市立電気科学館が開館、御堂筋が完成しました。1938年には地下鉄難波・天王寺間が開通し、戦時市民生活運動が始まりました。1939年には大阪市産業報国会が結成され、1940年には青バスを買収し市バスに統合、町内会・隣組が設置されました。1941年には下水処理場が完成しました。

戦時色が濃くなる中、1943年には行政区の再編が行われ、15区から22区に分区されました。1944年には安治川河底トンネルが開通し、学童集団疎開が開始されました。1945年、大阪市内は度重なる空襲に見舞われ、その最中、坂間棟治は8月23日に大阪市長を辞任しました。その後、公職追放の対象となりました。

市長辞任後も、大阪市社会福祉協議会会長や大阪市信用金庫理事長を務め、地域社会への貢献を続けました。1974年（昭和49年）に87歳で亡くなりました。孫の坂間英気が株式会社 Blue Planet-works に勤務しています。

坂間棟治は、激動の時代を駆け抜けた地方官僚、政治家であり、大阪の発展に大きく貢献した人物として、その名は歴史に刻まれています。

主な出来事
1937年（昭和12年）3月：大阪市立電気科学館開館
1937年（昭和12年）5月：御堂筋完成
1938年（昭和13年）4月：地下鉄難波-天王寺間開通
1940年（昭和15年）6月：青バスを買収し市バスに統合
1940年（昭和15年）9月：町内会・隣組の設置
1944年（昭和19年）8月：安治川河底トンネル開通
1945年（昭和20年）1月：市内初空襲
1945年（昭和20年）3月：第一次大阪大空襲

参考文献
「新修　大阪市史」第8巻（大阪市）
「日本の歴代市長」第2巻（歴代知事編纂会）
「昭和人名辞典Ⅱ」第3巻西日本編（日本図書センター）

外部リンク
坂間 棟治 - 徳富蘇峰記念館
坂間棟治 - 『人事興信録』データベース
* ９代市長坂間棟治 - デジタル大阪ミュージアムズ

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