坊城俊政

坊城俊政（ぼうじょう としただ）

生涯

坊城俊政は、山城国京都にて公家である坊城俊明の六男として誕生しました。その後、父の弟である坊城俊克の養子となります。1837年に元服し昇殿を許され、1857年には侍従に任官。その後、右少弁、蔵人、御祈奉行、左少弁、賀茂下上社奉行、氏院別当、兼右衛門権佐、右中弁といった要職を歴任しました。これらの役職を通じて、朝廷における実務能力と人望を確固たるものとしていきました。

1868年、王政復古の大号令が発せられると、俊政は新政府の中枢で活躍することになります。同年、参議、右大弁、参与に就任。弁官事、兼内弁事、給禄取調御用掛、大弁、制度分局御用、大嘗会御用掛などを歴任し、新政府の制度設計や運営に深く関与しました。

1871年には式部頭に就任し、宮中の祭祀や典礼を司る最高責任者となります。この役職を通して、日本の伝統文化の継承と近代化の両立に尽力しました。俊政は、激動の時代において、公家としての伝統を守りながら、新しい時代を切り開く役割を果たした人物として評価されています。

系譜

父: 坊城俊明（1782-1860）
母: 家女房
養父: 坊城俊克
妻: 婉御（やさこ） - 小出英発の娘
養嗣子: 坊城俊章（貴族院伯爵議員、坊城俊克長男）
男子:
坊城俊延（男爵）
芝山祐豊（子爵、芝山家12代当主）
波多野捨麿 - 弟・波多野広善（波多野本証養子。和田本覚寺住職）の養子
女子:
録子（しずこ） - 小出英尚妻、離縁後芳村正秉妻
次女：直 - 中御門経明室
美津 - 木越安綱妻、1865年12月11日 - 1893年12月27日
式子 - 松平頼纉室
梓子 - 長谷信篤正室
六女：伊万子 - 本田親済妻
妹: 益子 ‐ 信光寺（四日市市）住職・高木閑斉の妻。孫（養子の子）に資生堂役員の高木契圓、日本画家の高木長葉（量）

俊政の家系は、多くの有力者と姻戚関係を結び、その影響力を拡大しました。特に、芝山家や波多野家との関係は、当時の社会における彼の地位を示すものです。また、彼の子女たちも、それぞれの分野で活躍し、その血筋を後世に伝えました。

参考文献

修史局編『百官履歴 上巻』日本史籍協会、1928年。
日本歴史学会編『明治維新人名辞典』吉川弘文館、1981年。
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』下巻、霞会館、1996年。
* 橋本政宣編『公家事典』吉川弘文館、2010年。

これらの文献は、坊城俊政の生涯や業績を研究する上で重要な資料です。彼の足跡を辿ることで、幕末から明治という激動の時代を生きた人々の姿をより深く理解することができるでしょう。

もう一度検索