芝山家

芝山家：名家から華族子爵家へ

芝山家は、藤原北家勧修寺流に属する由緒ある家系です。公家としての格式は名家とされ、華族となった後は子爵位を継承しました。その歴史は、勧修寺家の流れを汲む阿部致康の子、勧修寺宣豊が叔父である勧修寺光豊の養子となり、芝山を名乗ったことに始まります。 芝山という名称は、勧修寺家の別称でもあり、初代内大臣勧修寺経顕も芝山内大臣と呼ばれていました。

代々続く歌道と華族への転身

初代の芝山宣豊以降、芝山家は代々歌道を家業としていました。家紋は三つ集め雀、江戸時代の石高は100石でした。菩提所は浄華院、居所は院参町西寄にありました。

明治維新後、公家と大名家が華族として統合されたことにより、10代当主の慶豊は華族に列しました。明治12年、慶豊の隠居後、養母の敬豊の正室である益子が一時家督を相続しますが、明治17年には養子である祐豊が家督を継ぎ、12代当主となりました。

同年に華族令が施行され、五爵制が導入されると、祐豊は大納言直任の例がない旧堂上家として子爵に叙せられました。その後、13代当主の孝豊は日露戦争に従軍し、勲四等功五級に叙せられています。14代当主の信豊の時代には、芝山家の邸宅が東京市牛込区北山伏町にありました。

分家と新たな家系の誕生

明治元年に、8代当主国典の養子であった国映が復飾して今園家を、7代当主国豊の養子であった豊訓が復飾して芝小路家をそれぞれ興しました。これらの分家は、芝山家の歴史の一端を担う重要な存在です。

歴代当主一覧

以下に、芝山家の歴代当主を列挙します。

1. 芝山宣豊 (1612-1690)
2. 芝山定豊 (1638-1707)
3. 芝山広豊 (1674-1723)
4. 芝山経業 (1705-1762)
5. 芝山重豊 (1703-1766)
6. 芝山持豊 (1742-1815)
7. 芝山国豊 (1781-1821)
8. 芝山国典 (1818-1843)
9. 芝山敬豊 (1837-1862)
10. 芝山慶豊 (1861-)
11. 芝山益子 (-)
12. 芝山祐豊 (1873- ) 子爵、坊城俊政の三男
13. 芝山孝豊 (1875- ) 子爵、葉室顕孝の六男、粟田口定孝の次男。陸軍歩兵中佐
14. 芝山信豊 (1912- ) 子爵
15. 芝山康豊

各当主の事績や系譜については、さらなる調査が必要となります。

系図と参考文献

本記事では、詳細な系図の図示は省略しますが、参考文献に挙げた書籍等を参照することで、より詳細な情報を得ることができます。

参考文献

浅見雅男『華族誕生 名誉と体面の明治』リブロポート、1994年
小田部雄次『華族 近代日本貴族の虚像と実像』中央公論新社、2006年
華族大鑑刊行会『華族大鑑』日本図書センター、1990年
霞会館華族家系大成編輯委員会編『平成新修旧[[華族家系大成]]』上巻、一般社団法人霞会館、1996年

これらの文献は、芝山家のみならず、当時の華族社会全体を理解する上で貴重な資料となります。

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