垂井線

垂井線に関する詳細

垂井線（たるいせん）は、東海道本線の下り線で、南荒尾信号場から関ケ原駅の間を指し示す名称です。この通称は、国土交通省監修の『鉄道要覧』では特に垂井駅経由の本線として位置づけられていますが、戦中の線路撤去後、戦後に再敷設された経緯があります。これにより、現在の通称—垂井線が付けられました。

1. 概要

垂井線の区間は、大垣駅から関ケ原駅、さらには近江長岡駅及び米原駅に至る東海道本線の一部です。この区間は関ヶ原と伊吹山を越えるピークがあり、急勾配が連続することで知られています。特に垂井駅から関ケ原駅間では、20-25‰の急勾配が存在し、下り列車が関ケ原駅に向かう際には逆に登っている形になります。そこで、大垣駅から関ケ原駅の改良工事が実施され、上り線1本、下り線2本の計3本の線路体制が整備されました。

大垣駅から南荒尾信号場、垂井駅、そして関ケ原駅間の複線のうち、南荒尾信号場から垂井駅、関ケ原駅間における下り線が「垂井線」として知られています。太平洋戦争の影響で輸送力を強化する必要があり、当初の線路が撤去された新しい線（新垂井線）が建設されることとなりました。戦後、この区間の線路は再び敷設され、現在の垂井線が形成されました。

2. 垂井線の特徴

垂井線では基本的に普通列車のみが運行され、特急列車や貨物列車は立ち入ることができません。そのため、最高運転速度は85km/hと抑えられています。また、南荒尾信号場から垂井駅間は下り専用ですが、垂井駅から関ケ原駅は双方向に運行可能な単線です。このため、関ケ原始発の上り列車や下り列車は垂井線を通ります。

3. 垂井線と新垂井線の関係

垂井線と新垂井線の関係は複雑です。正式には「熱海〜米原」として扱われる東海道本線の一部ですが、運行上は「下り本線」が新垂井駅経由となり、垂井線は上り本線線路としての役割を持っています。また、国土交通省の公式文書では、旧・新垂井駅経由の路線が本線として扱われ、実態としての名付けは異なっています。

4. 歴史

1884年（明治17年）5月25日、大垣駅から関ケ原駅間が開業し、数段階の改良を経ながらも、関ヶ原の難所としてその役割を果たしてきました。特に、1940年（昭和15）になると軍事輸送が増え、線路容量は限界に達しました。その結果、1944年（昭和19年）に新垂井線が開業し、下り本線は廃止されてしまいました。

戦後の1946年（昭和21年）には下り本線が復活し、普通列車のみが運行されることとなります。この後、今なお垂井線としての名を残しつつ、1986年（昭和61年）11月1日には新垂井駅が廃止され、現在に至ります。

5. 運行形態

2021年以降の運行形態に関し、南荒尾信号場から関ケ原駅間においては、全ての下り普通列車が垂井線を通っています。関ケ原駅発着の列車は特に朝夕に多くの運行が見られ、全体的に列車は効率的に配線を利用して運行されています。

まとめ

垂井線は急勾配が続く独特な鉄道路線であり、様々な歴史的背景を持っています。この路線は普通列車専用であり、地域の交通の要所として、今も重要な役割を果たしています。

もう一度検索