城長茂

城 長茂（じょう ながもち）

城長茂は、平安時代末期から鎌倉時代の初めにかけて越後国で活躍した武士です。本名は助茂ですが、後に長茂と改名しました。彼は越後平氏の一族に属し、城資国の子であり、資永という兄がいます。兄が急死した際、長茂が家督を継ぐことになり、新たな名前を名乗るようになったのです。

略歴

長茂は主に越後国蒲原郡の白河荘に居館を持っていたと考えられています。治承5年（1181年）2月には、兄の資永が平氏政権から派遣され、信濃で挙兵した矢先に急死したため、長茂がその後を継ぐこととなりました。同年の6月には、平清盛の命令を受けて信濃へ出兵しましたが、軍略に乏しく、義仲軍に対して大敗を喫することとなります。この出来事は「横田河原の戦い」として知られています。

敗北を受け、長茂は奥州会津へ逃れましたが、すぐに奥州藤原氏の攻撃を受け、そこでも敗退。越後の地方において小規模な勢力に転落せざるを得ませんでした。同年の8月15日には越後守に任命されるものの、実際にはその地位を有効活用することはできませんでした。寿永2年（1183年）の平家の都落ちと同時に越後守も罷免され、その後の詳細は不明です。

元暦2年（1185年）に平氏が滅亡する際、長茂は捕虜となり、梶原景時に預けられる立場となりました。その後、文治4年（1188年）9月に熊野の僧・定任の仲介で源頼朝に面会します。この際、長茂は白の水干と立烏帽子という格式のある服装で臨みました。彼が平氏政権から従五位下の地位を受けていたことが背景にあります。しかし、面会中に頼朝の座を誤って奪い、慌ててその場を後にするなど、捕虜であるにも関わらず果敢な態度を示しました。

文治5年（1189年）の奥州合戦では、再び戦に参加し、武功を挙げて御家人の仲間入りを果たしました。しかし、頼朝の死後、正治2年（1200年）に梶原景時が滅ぼされ、その影響を受けることになりました。翌年には長茂は軍勢を指揮して上洛し、幕府に対抗する行動を起こします。正治3年（1201年）には、小山朝政の屋敷を襲撃し、後鳥羽上皇に幕府討伐の宣旨を求めましたが、承認されることはありませんでした。最後は大和吉野で討たれ、生涯を終えました。享年は50歳で、彼は背が高く、約212cmの巨人と伝えられています。

脚注

長茂の人生は越後国の歴史に深く関わっており、また彼の行動は平安時代末期から鎌倉時代へと移り変わる時代背景を色濃く反映しています。彼の家系や戦歴を通じて、当時の武士や貴族の複雑な関係性についても考察することができます。

関連項目

• - 城氏 (平氏)
• - 建仁の乱

もう一度検索