基本信条

キリスト教における基本信条とは、各教派が共有する正統な教義を定める信条のことで、世界信条とも呼ばれます。主に西方教会で用いられる概念ですが、キリスト教全体の信仰の根幹をなすものです。

具体的には、以下の信条が基本信条として挙げられます。

使徒信条
ニケア・コンスタンチノポリス信条
カルケドン信条
アタナシオス信条

場合によっては、原ニケア信条が加えられることもあります。

各信条の位置づけ

カルケドン信条は、ニケア・コンスタンチノポリス信条の解釈を規定するものとして捉え、カルケドン定式と呼び、信条として数えない教派もあります。しかし、これはカルケドン信条の内容を軽視したり、準拠しないという意味ではありません。

東方教会では、一般的に使徒信条とアタナシオス信条を告白しません。これは、これらの信条が西方教会で成立し、全地公会での議決を経て正式に承認されたものではなく、慣習的に広まっていったという歴史的経緯によるものです。ただし、東方教会がこれらの信条の内容を否定しているわけではありません。

キリスト教界における共通基盤

東西教会の分裂以前に公会議で決定された基本信条は、東方教会と西方教会の双方で有効であり、キリスト教界全体に共通する公同的かつ福音的な正統信仰の基礎となっています。

現代においては、教義上の対立者を安易に異端として排斥することは少なくなりましたが、基本信条に示される信仰に反する理解を持つ特定の分派は、依然として「異端」と判断されることがあります。

基本信条は、キリスト教の信仰を理解する上で重要な基礎となるものです。各信条の内容を深く理解することで、キリスト教の教義に対する理解を深めることができるでしょう。

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