堀之内 (八王子市)

堀之内の概要

堀之内は、東京都八王子市の南部に位置する地名で、堀之内二丁目、堀之内三丁目、そして住居表示未実施区域の堀之内として構成されています。この地域は、八王子市の南部に広がり、東は松が谷や東中野、東南は別所、西は松木や南陽台、北は日野市平山や程久保と接しています。地域内では、京王堀之内駅を中心とした堀之内二・三丁目と、多摩ニュータウン開発区域内でありながらも里山の風景を残す堀之内とで、開発状況が大きく異なっているのが特徴です。

地理と特徴

堀之内は、一部地域がデジタル放送の難視聴地区に指定されており、地上デジタル放送を視聴するためには衛星放送を経由する必要があります。これは、地形的な要因や電波環境によるものです。特に堀之内地区は、多摩ニュータウン開発地域内でありながらも、マンションなどの集合住宅は少なく、新たに住む住民は少ない傾向にあります。しかし、近年では積水ハウスと大和ハウス工業による大規模な住宅開発「東京森都心 多摩ニュータウン東山」が誕生し、新たな住居の選択肢が増えています。

一方で、堀之内地区には牧場や養鶏場、畑などが点在し、都心に近いながらも里山の風景が色濃く残っています。また、北西側は多摩丘陵西部緑地保全地域に指定されており、自然環境が保護されています。この地域は、開発が進んだ地区と自然が残る地区が隣接している、非常にユニークな場所と言えるでしょう。

地価

住宅地の地価は、2014年1月1日の公示地価において、堀之内3丁目17番12の地点で1平方メートルあたり15万8000円となっています。これは、多摩ニュータウン内の他の地域と比較しても、比較的落ち着いた価格帯であることを示しています。

歴史

地名の由来は、平安時代にこの地を拠点としていた武蔵七党の西党一族の館の堀の内側であったことに由来します。この「堀」は、現代には残っていませんが、かつての歴史を偲ばせる地名です。また、京王堀之内駅の建設中には、縄文時代や弥生時代の人骨や土器、石器などが多数出土しており、この地が古くから人々の生活の場であったことが伺えます。これらの遺物は、東京都埋蔵文化財センター堀之内分室に保管されています。

沿革

堀之内の歴史を振り返ると、1889年の町村制施行により、周辺の村々と合併して神奈川県南多摩郡由木村となりました。その後、1893年に東京府に移管され、1964年に八王子市に編入されるまで、由木村の一部として歴史を刻んできました。由木村時代には、村役場の設置や学校の統廃合、郵便局の開設など、様々な出来事がありました。また、1930年代には、由木乗合バスによる交通網の整備も行われました。

交通と施設

交通の面では、京王相模原線の京王堀之内駅が利用可能です。道路網としては、東京都道158号小山乞田線（多摩ニュータウン通り）、東京都道20号・神奈川県道525号府中相模原線（野猿街道）、東京都道155号町田平山八王子線（平山通り）が地域内を走っています。

教育施設としては、東京薬科大学や東京農工大学農学部FM多摩丘陵があります。商業施設としては、BOOK OFFやフードワン、ラーメン二郎などがあります。郵便局や金融機関としては、京王堀之内駅前郵便局が利用可能です。また、公園としては、平山城址公園、堀之内芝原公園、番場公園、堀之内寺沢里山公園、堀之内こぶし緑地などが整備されています。

その他の施設と文化

堀之内には、京王電鉄平山研修センター（京王資料館）や、保井寺、善照寺、北八幡神社、南八幡神社など、歴史的な施設も点在しています。特に保井寺には、新選組隊士の斎藤一諾斎の墓があることで知られています。また、堀之内は、読売テレビ多摩スタジオがあったことから、多くのテレビドラマのロケ地としても利用されました。数多くの人気ドラマやアニメ映画のロケ地として利用され、その一部は「平成狸合戦ぽんぽこ」のように、作品の舞台ともなっています。

まとめ

堀之内は、歴史的な背景と多摩ニュータウン開発の影響を受けながらも、自然豊かな風景を残す、魅力的な地域です。交通の便も良く、生活に必要な施設も整っており、住みやすい環境が整っています。また、過去には多くのドラマのロケ地としても利用され、文化的な側面も持ち合わせています。

もう一度検索