堀内正昭

堀内正昭について

堀内正昭（ほりうち まさあき）は、1954年生まれの日本の建築学者です。建築史と意匠を専門とし、特に近代日本の西洋館の調査や、歴史的建造物の保全活用に関する研究で知られています。

生い立ちと学歴

和歌山県出身の堀内は、1974年に芝浦工業大学工学部に入学し、1978年に卒業。その後、東京都立大学大学院に進学し、1980年に修士課程を修了、1986年には博士課程を修了し、工学博士の学位を取得しました。

研究者としての活動

1988年より昭和女子大学短期大学部に奉職し、助教授、教授を経て、昭和女子大学生活科学部の教授に就任。また、大学院生活機構研究科の教授、近代文化研究所の所員も兼務しました。

主な研究テーマ

近代日本の西洋館の調査
歴史的建造物の保全活用

これらの研究テーマに基づき、数々の業績を上げています。特に、以下のプロジェクトにおける設計監修は、その専門性が高く評価されています。

中央合同庁舎第六号館赤れんが棟の復原改修工事（1990年4月～1995年3月）
西町インターナショナルスクール松方ハウスの復原改修工事

その他の活動

大学教員としての活動の傍ら、世田谷区文化財保護審議会委員や横浜市建築・開発紛争調停委員としても社会に貢献しています。

受賞歴

1991年：日本建築学会奨励賞（著書『明治のお雇い建築家――エンデ＆ベックマン』に対して）
2012年：相田武文記念賞（芝浦工業大学より）

人物像

学生時代にヨーロッパを旅した際に歴史的建造物に魅了され、建築学を志すようになったとされています。

主要な著作・翻訳

単著

『明治のお雇い建築家――エンデ＆ベックマン』（井上書院、1989年）
『初代国会仮議事堂を復元する』（昭和女子大学近代文化研究所、2014年）

共著

『西洋建築様式史』（カラー版、美術出版社、1995年）
『西洋建築様式史』（カラー増補新装版、美術出版社、2010年）

編纂

『甦る近代建築――民家・教会・議事堂――調査、記録、復元（学生によるゼミ活動の成果）――秋の特別展』（昭和女子大学光葉博物館、2012年）

翻訳

スピロ・コストフ著『建築全史――背景と意味』（住まいの図書館出版局、1990年）
シュテファン・コッペルカム著『人工楽園――19世紀の温室とウィンターガーデン』（鹿島出版会、1991年）
J・サマーソン著『18世紀の建築――バロックと新古典主義』（鹿島出版会、1993年）
ブルーノ・タウト作『ブルーノ・タウト――Nature and fantasy 1880 - 1938』（トレヴィル、1994年）
スティーヴン・キャロウェー編『図解百科・様式の要素――英米住宅デザイン事典』（同朋舎、1994年）

分担執筆、寄稿

『すまいを科学する――新しいすまい学30課』（地人書館、1990年）
『未完の東京計画――実現しなかった計画の計画史』（筑摩書房、1992年）
『都市のプランナーたち――江戸・東京を造った人々』（都市出版、1993年）
『法務省・赤れんが棟』（建築保全センター、1996年）
『全調査東アジア近代の都市と建築』（大成建設、1996年）
『ヨーロッパのインフラストラクチャー――古代ローマの都市計画からユーロトンネルまで1312件の全ガイド』（土木学会、1997年）
『世界遺産を旅する――地球の記録』（5巻、近畿日本ツーリスト、1998年）
『国際デザイン史――日本の意匠と東西交流』（思文閣、2001年）
『Japan und Preußen』（Iudicium Verlag、2002年）
『パラレル――建築史・西東』（本の友社、2003年）
『世界の建築・街並みガイド』（4巻、新装版、エクスナレッジ、2012年）
『妻木頼黄の都市と建築』（日本建築学会、丸善出版、2014年）

所属学会

日本建築学会
建築史学会

日本建築学会では、文献抄録委員会（建築史・意匠）委員、「現代ポルトガル建築家5人展」実行委員、論文集審査委員、歴史的建築リスト整備活用小委員会委員、論文集委員会委員、関東支部の歴史意匠専門研究委員などを歴任しています。

関連人物

ヘルマン・エンデ
ブルーノ・タウト
ヴィルヘルム・ベックマン

外部リンク

堀内研究室紹介 | 昭和女子大学｜環境デザイン学科
堀内正昭 - researchmap
堀内正昭 - J-GLOBAL
論文一覧（KAKEN、CiNii）
堀内正昭 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース

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