堀場勇夫

堀場勇夫（ほりば いさお、1949年 - ）は、日本の経済学者であり、特に財政学と地方財政論の分野で顕著な業績を残しています。彼は青山学院大学の名誉教授であり、総務省地方財政審議会の会長も務めました。

愛知県で生まれた堀場氏は、青山学院大学経営学部を卒業後、同大学大学院経済学研究科修士課程を1980年に修了しました。その後、一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程に進み、単位取得退学しました。大川政三や石弘光といった著名な経済学者から指導を受けたことが、彼の研究に大きな影響を与えました。

堀場氏は、明星大学人文学部経済学科の専任講師を経て、青山学院大学の助教授となり、1995年から青山学院大学経済学部の教授を務めました。2003年から2006年まで経済学部長・経済学研究科長を歴任し、教育・研究の両面で大学に貢献しました。2016年に青山学院大学を退職し、名誉教授となりました。

2016年からは総務省地方財政審議会会長として、社会保障費の増加に対応するための地方交付税率の引き上げなど、地方財政に関する重要な提言をまとめました。また、地方公共団体金融機構代表者会議委員、全国市長会都市財政の将来展望に関する研究会副座長、日本都市センター都市財政の将来展望に関する研究会副座長、自治総合センター地方分権に関する基本問題についての調査研究会座長、神奈川県地方税制等研究会座長など、数多くの公職を歴任し、地方財政の発展に尽力しました。

堀場氏の専門は財政学、特に地方財政論であり、その研究は理論と実践の両面から高く評価されています。彼の著書『地方分権の経済分析』は、2000年度に青山学院学術褒賞を受賞し、2001年には第1回日本地方財政学会佐藤賞著書部門特別賞を受賞しました。この受賞は、彼の研究が地方財政の分野に与えた影響の大きさを物語っています。

主な著書

『地方消費課税のあり方について : カナダの例を中心に』東京都主税局税制企画部税制課 1995年
『行政の役割と税源配分について』東京都主税局税制企画部税制課 1997年
『地方分権の経済分析』東洋経済新報社 1999年
『第三セクター : 再生への指針』（望月正光と共編著）東洋経済新報社 2007年
『地方分権の経済理論 : 第1世代から第2世代へ』東洋経済新報社 2008年
『現代財政学』（横山彰,馬場義久と共著）有斐閣 2009年
『地方消費税の経済学』（持田信樹,望月正光と共著）有斐閣 2010年
『新しい地方財政論』（中井英雄,齊藤愼,戸谷裕之と共著）有斐閣 2010年
* 『日本の財政を考える』（馬場義久,横山彰,牛丸聡と共著）有斐閣 2017年

これらの著書は、地方財政に関する理論的・実証的な分析を提供し、政策立案にも貢献しています。堀場勇夫は、学術的な研究活動に加えて、政策提言や社会貢献を通じて、日本の地方財政の発展に大きく貢献した人物として評価されています。

もう一度検索