堀川城

堀川城の歴史と戦い

堀川城（ほりかわじょう）は、静岡県浜松市浜名区細江町気賀に存在していた歴史的な日本の城です。この城は、奥浜名湖の北岸に位置し、都田川河口の南側にあたる場所に築かれていました。満潮時には周囲が干潟となり、道が遮られることもあったとされます。

城の起源と築城の背景

堀川城の創建は永禄3年（1560年）に遡ります。この年、桶狭間の戦いで今川義元が戦死した後、地域の住民たちが自衛のために砦を構え、その名が堀川城と名付けられたと伝えられています。近接する刑部にも同様に刑部城が築かれ、共に徳川家康による遠江侵攻に備えた名城とされています。

具体的な築城の時期は不明ですが、このころはまだ今川氏の支配下にありました。例えば、永禄11年（1568年）に今川氏真から瀬戸方久への徳政令が出された際、その条件に新城の補給が含まれており、これが堀川城または刑部城を指していると考えられています。

戦争と城の運命

同じく1568年、徳川家康は本坂峠を越えて岡崎から湖北へと攻撃を仕掛け、刑部城を落城させました。その際、堀川城には家康に抵抗する大沢左衛門を主とする堀江城主が立て籠もっていました。ここで、大沢氏に連携をとる形で新田友作や竹田高正、尾藤主膳、山村修理など、地域の豪族たちが集結し、約1,700人の農兵たちと共に防戦しました。

しかし、永禄12年（1569年）の2月、家康は掛川城を攻略した後、再び堀川城を攻撃しました。攻撃は一方的で、城内は混乱し、土豪たちはそれぞれ逃げるか切腹することとなります。竹田高正は城内で自害し、山村修理は逃げるも切腹に至りました。一方、新田友作は和睦を求めて退去しましたが、家康率いる軍勢によって捕らえられ、多くの捕虜は都田川の堤にて処刑されました。

この戦いでは、城兵の約半数が殺され、残る者も捕らえられました。その凄惨さは、徳川家康の命令で石川半三郎が行った捕虜処刑によって顕著であり、700人が女子供を含めて一斉に斬首されました。

城址とその後の影響

堀川城があった都田川の堤には、「獄門畷」との名が残り、処刑の場となったことを示します。また、村が自害した山村修理の墓は現在も本坂通沿いの一里山に存在します。この戦に関しては、大久保忠教が編纂した『三河物語』に男女ともに処刑されたとの記録が現在に伝えられています。

堀川城の歴史は、多くの戦乱に巻き込まれ、地域住民や城兵たちの勇気と悲しみの象徴となっています。今後も、このような歴史を後世に伝えていくことが重要でしょう。

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