堀江景忠

堀江景忠の生涯と業績

堀江景忠（ほりえ かげただ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した日本の武将である。彼は父・堀江景用の子として生まれ、越前国における有力な国衆として知られている。景忠の家系は、鎌倉時代から越前に拠点を置いた堀江氏であり、そのルーツは利仁流河合斎藤氏に遡るとされている。堀江氏は戦国時代において一時的に勢力を伸ばし、朝倉氏に仕官することとなる。

出自と家族背景

堀江氏は、歴史的に見ても興福寺と深く関連しており、応永3年（1398年）には堀江賢光という名の人物が興福寺の一員として活動していた記録が残っている。その後、興福寺から離れ、斯波氏の配下となり、三国湊の代官を務めるなど、地域において重要な存在となった。しかし、本家は長禄年間に起きた斯波氏と甲斐氏の争いにより没落の影を見せる。その結果、堀江氏の傍流は朝倉氏に仕官し、再び勢力を持つことに成功した。

武将としての活動

弘治元年（1555年）、堀江景忠は朝倉宗滴の指揮下で加賀一向一揆攻めに従軍し、その戦いで戦功を収めることになる。やがて永禄7年（1564年）から続く加賀への侵攻においても、景忠は戦場でその名を馳せる。しかし、この時期、彼は内部での対立にも巻き込まれることになる。特に、自身の子である利茂と共に一向一揆勢に通じ、朝倉義景に対する謀反を画策した事が記録されている。

謀反と亡命

永禄10年（1567年）3月、堀江氏が謀反を企てているとの噂が広がると、一向一揆勢が加賀から越前に進撃し、朝倉軍と熾烈な戦闘が繰り広げられる。堀江氏の館も攻撃を受け、後に景忠と彼の子は能登国に亡命することとなった。この亡命の背景には、朝倉景鏡の讒言が影響したと考えられるが、敵対する勢力の圧力も大きかった。なお、亡命後に景忠が顕如から感状を受け取ったことから、讒言の信憑性に疑問が呈されている。

戦国の終焉と信長への仕官

後に景忠は「幸岩斎藤秀」と名乗り、朝倉氏の滅亡後、再び越前に帰還する。その際、彼は杉津砦の守将とされ、織田軍に寝返った後には一向一揆勢を粉砕する決定的な役割を担った。織田信長は藤秀の功績を賞し、彼の子・利茂に加賀大聖寺の所領を与える。しかし、藤秀はこの恩賞に満足できず、その不満が信長の耳に入ることとなり、天正4年（1576年）4月には彼は誅殺される運命を辿る。なお、この事件には異説も存在する。堀江景忠の波乱に満ちた生涯は、戦国時代の複雑な人間関係と権力闘争を如実に物語っている。彼の名前は、歴史の一部として永遠に刻まれることとなった。

もう一度検索