堀江英一

堀江英一の経歴と業績

堀江英一（ほりえ ひでいち）は、1913年7月31日生まれの日本の経済史学者で、1981年11月3日に逝去しました。彼は徳島県の出身で、京都帝国大学経済学部を卒業後、同大学で助教授としての経歴をスタートさせ、その後1947年には教授に就任しました。その後、1956年には『明治維新の社会構造』という著作を通じて経済学博士の学位を取得しました。1976年に定年を迎え、その後は名誉教授となり、名城大学で教授としても教鞭をとりました。

堀江は、西洋と日本の資本主義の発展を専門とし、戦後の日本における経済史学会の中心的な存在として活動しました。彼の研究は、経済学だけでなく、歴史学においても大きな影響を与えました。特に彼は、明治維新をテーマにした研究を通じて、日本の近代化の様相を探求しました。

主要な著書

堀江の著作は数多く、経済史に関する貴重な資料を提供しています。以下にいくつかの主要な著書を挙げます。

• - 『近代産業史研究』（1948年、日本評論社）
• - 『日本のマニュファクチュア問題』（1949年、三一書房）
• - 『西洋経済史』（1950年、三笠書房）
• - 『明治維新の社会構造』（1954年、有斐閣）
• - 『経済学から歴史学へ』（1957年、有斐閣）
• - 『近代ヨーロッパ経済史』（1960年、日本評論新社）
• - 『産業資本主義の構造理論』（1960年、有斐閣）
• - 『経済史入門』（1971年、有斐閣双書）
• - 『堀江英一著作集』（全4巻、1975-76年、青木書店）

これらの著作を通じて、堀江は日本の産業史や経済構造に対する深い洞察を提供し、学問の発展に寄与しました。

研究の範囲

堀江の研究は、特に日本の経済史と西洋の経済発展の相互関係に焦点を当てており、具体的には明治維新より前後の時期に関する詳細な分析を行っています。彼は、経済構造の変動や市民革命との関連性を掘り下げることで、近代日本の成立に貢献した要因を明らかにしました。また、自由民権運動や農業構造の変化、資本主義の進展に関する研究も行っており、幅広いテーマを扱っています。

教材と共著

堀江は、個々の著作だけでなく、複数の共編著にも積極的に関与しており、学界に対する彼の影響力を強調しています。代表的な共編著としては、以下のものがあります。

• - 『西陣機業の研究 中小工業の実態』（1950年、後藤靖との共著）
• - 『藩政改革の研究』（1955年、編）
• - 『市民革命の理論 マルクスから毛沢東へ』（1957年、編）
• - 『自由民権期の研究』（全4巻、1959年、遠山茂樹との共編）

さらに、翻訳作業にも取り組み、他国の経済・歴史に関する研究を広める役割も果たしました。

まとめ

堀江英一は、その業績の中で日本の経済史学に多大な貢献をし、後世の学者たちに多くの示唆を与える存在となりました。彼の研究成果は、今もなお日本の経済学と歴史学の交差点において重要な位置を占めています。

もう一度検索