後藤靖

後藤靖（ごとう やすし、1926年2月22日 - 1998年3月4日）は、日本の著名な経済学者、歴史学者であり、立命館大学経済学部名誉教授の地位にあった人物です。彼の専門分野は近代経済史であり、特に日本資本主義の発展と近代天皇制国家の形成過程に関する研究に多大な貢献をしました。後藤は、佐賀県で生まれ、京都大学を卒業後、1964年に立命館大学経済学部の教授に就任しました。その後、1991年には京都橘女子大学文学部教授も務めています。

後藤の学術的な業績は、数多くの著書からも明らかです。単著としては、『自由民権運動』(創元社,1958年) をはじめ、『自由民権運動の展開』(有斐閣,1966年)、『士族反乱の研究』(青木書店,1967年)、『自由民権―明治の革命と反革命』(中央公論社,1972年)、『天皇制と民衆』(東京大学出版会,1976年)、『天皇制形成期の民衆闘争』(青木書店,1980年)など、日本の近代史における重要なテーマを深く掘り下げた研究を発表しています。また、経済史の分野では、『日本経済史―経済発展法則の検証』(有斐閣,1977年)、『日本資本主義発達史』(有斐閣,1979年) などの著作があり、日本経済の発展過程を詳細に分析しています。さらに、『新経済学の基礎』(有斐閣,1984年) や『日本帝国主義の経済政策』(柏書房,1991年) など、経済学の理論的な側面にも貢献しています。

共著としては、塩沢君夫との共著である『日本経済史―経済発展法則の検証』(有斐閣,1978年)や、岩井忠熊との共著である『天皇制と代替り』(かもがわ出版,1989年)などがあります。これらの共著は、後藤の研究領域の広がりと、他の研究者との協力を示すものです。

後藤靖の研究は、日本の近代経済史と政治史を理解する上で、欠かせないものとなっています。彼の著作は、学術界だけでなく、一般の読者にも広く読まれており、日本の近代化の過程を深く理解するための重要な資料となっています。

立命館大学の公式サイトでは、後藤靖に関する情報が掲載されており、彼の業績や研究内容についてより詳しく知ることができます。後藤靖の学問に対する真摯な姿勢と、日本の近代史に対する深い洞察は、後世の研究者や学生にとって、大きな刺激と学びの源泉となっています。

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