堀田正養

堀田正養：近江宮川藩最後の藩主から逓信大臣へ

堀田正養（ほったまさやす、1848年4月1日-1911年5月9日）は、幕末の大名、明治期の政治家、そして華族として、激動の時代を生き抜いた人物です。近江宮川藩の第9代にして最後の藩主、初代知藩事、貴族院議員、さらには第1次西園寺内閣の逓信大臣を歴任するなど、その経歴は多岐に渡ります。位階は従三位に叙せられました。

幼少期と家督相続

出羽亀田藩主・岩城隆喜を父に持つ堀田正養は、幼名を三四郎、駒之助と称しました。堀田正誠の養子となり、文久3年（1863年）、養父の死去に伴い、わずか15歳で宮川藩の藩主の座を継承することとなります。同年には将軍徳川家茂に拝謁し、従五位下豊前守に叙任されました。その後、出羽守、再び豊前守と改められます。元治元年（1864年）には大坂加番を命じられています。

幕末から明治への激動

慶応4年（1868年）、新政府によって一時的に領地を没収され、近江彦根藩の管理下に置かれます。謹慎を命じられた後、上洛。明治2年（1869年）の版籍奉還により宮川藩知事となりますが、明治4年（1871年）の廃藩置県によって免官。その後、東京に移住しました。

政治家としての活躍

東京での生活の後、明治11年（1878年）には東京府会議員選挙に出馬、当選を果たします。府会副議長を経て、赤坂区長、下谷区長、深川区長と要職を歴任しました。明治17年（1884年）には子爵に叙せられます。しかし、明治22年（1889年）には免職となっています。

明治23年（1890年）からは貴族院議員に3期連続で選出され、研究会に所属しました。そして、明治41年（1908年）、第1次西園寺内閣において逓信大臣に就任。滋賀県出身者として初の大臣となりました。これは大きな功績であり、彼の政治家としての力量を示すものです。しかし、入閣を巡っては、研究会の指導者であった清浦奎吾の超然主義路線への反発を招き、翌年には研究会を除名されています。

晩年とその後

西園寺内閣の総辞職に伴い、逓信大臣を退任。明治44年（1911年）、64歳でその生涯を閉じました。彼の功績を称え、秋田県出身初の大臣として銅像が制作され、亀田城の佐藤八十八美術館に展示されています。

家族

正室は堀田正誠の娘である堀田銀です。子女には、子爵堀田正亨の夫人となった堀田錫、子爵五島盛光の夫人となった堀田善子がいます。養子には高木正坦の長男、堀田正亨がいます。

堀田正養は、激動の時代を生き抜き、藩主、政治家、華族として多大な貢献を果たした人物でした。彼の生涯は、日本の近代化への道のりを象徴するものであり、日本の歴史において重要な役割を担ったと言えるでしょう。

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