堀秀道

堀秀道 - 日本の鉱物学者

堀秀道（ほり ひでみち、1934年5月21日 - 2019年1月3日）は、日本を代表する鉱物学者であり、鉱物科学研究所の所長として多大な功績を残しました。彼は東京都台東区で生まれ、中学生時代から鉱物に強い興味を抱き、櫻井欽一氏に師事しました。1952年、都立上野高校を卒業後、北里大学の化学科に助手として就職し、さらにモスクワ大学地質学部に留学するという貴重な経験を経て、1970年に日本に帰国しました。

帰国後は、シベリアでの石油採掘事業に従事したのち、1977年に株式会社鉱物科学研究所を設立。ここでは鉱物標本の販売や鑑定、研究を行い、多くの新鉱物の発見に寄与しました。特に1981年には新鉱物「欽一石」（kinichilite）を発見し、その功績により1986年には櫻井賞を受賞しました。この年にはさらに「アンモニウム白榴石」（ammonioleucite）、翌1987年には「ストロナルシ石」（stronalsite）を発見し、これらの業績により東北大学から理学博士の称号を授与されました。さらに2006年には「岩代石」（iwashiroite-(Y)）、2012年には「田野畑石」（tanohataite）を発見しました。

堀はその研究だけでなく、鉱物の普及活動にも情熱を注いでいました。1986年に設立された鉱物同志会や、1988年に行われた第1回東京国際ミネラルフェアの開催にも尽力しました。彼の著作は、一般の人々に向けた鉱物学の理解を深めるための重要な資料となっており、『楽しい鉱物学』や『楽しい鉱物図鑑』など、多くの書籍が出版されています。また、堀が撮影した鉱物の写真は国外でも高く評価されています。

さらにテレビ番組「開運!なんでも鑑定団」に石の鑑定士として出演し、一般の視聴者に鉱物の魅力を伝えました。彼は特に水晶に対して深い愛情を持っており、その思いは著書『水晶の本』にも記されています。

堀の人生は、鉱物の研究と普及に捧げられ、彼の業績は今後も日本の鉱物学の発展に寄与し続けることでしょう。2019年1月3日、敗血症により逝去。しかし、彼の遺した業績と著作は、永遠に多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

著書の一部

• - 『楽しい鉱物学 - 基礎知識から鑑定まで』草思社、1990年
• - 『楽しい鉱物図鑑』草思社、1992年
• - 『水晶の本』草思社、2010年

堀はまた翻訳者としても活動し、さまざまな科学書を日本語に翻訳してきました。彼の業績は、鉱物学だけでなく、科学全体に広がっており、今なお多くの研究者や愛好者に影響を与えています。

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