堂山古墳群 (大東市)

堂山古墳群の概要

堂山古墳群（どうやまこふんぐん）は、大阪府大東市寺川に存在する古墳群です。この場所は大東市の指定史跡に指定されており、古墳時代中期から後期にかけて築造された古墳が集まっています。この古墳群は、大阪府営水道の配水池建設の際の事前調査によって発見され、その後の発掘調査によって多くの遺物が出土しました。

発掘調査の経緯

1969年1月、堂山山頂での調査中に、埴輪や鉄刀が発見されました。これを受けて、大東市教育委員会と大阪府教育委員会が現地調査を実施しました。その結果、周囲には埴輪片が散乱している様子が見つかり、かなりの規模の古墳の存在が予想されました。同時に、横穴式石室の天井石とみられる花崗岩も確認され、さらに新たな古墳の発見が期待されることから、これらの古墳を「堂山古墳群」と名付け、最初に発見されたものを「堂山1号墳」としました。

調査の結果、堂山1号墳からは木棺直葬の主体部が見つかり、多くの副葬品も明らかになりました。1972年には墳丘の詳細な調査も行われ、さらなる理解が進みました。

1号墳の詳細

1号墳は、墳丘の大部分が風化した花崗岩の岩盤を整形して築造されたと考えられています。墳丘からは円筒埴輪の列が確認され、全体の形状は直径が約25メートルの円墳であると推測されています。この古墳には葺石は見つかっていませんが、内部には木棺が直葬され、その周囲にも副棺の痕跡が残っています。

1号墳から出土した遺物には、硬玉製の勾玉や碧玉製の管玉、ガラス製の丸玉、さらには鉄製短剣が多数ありました。また、副棺からは短甲や衝角付き冑、鉄刀、鏃、剣、鎌などの武具や器物も出土しています。これらの出土品からは、その時代の人々の生活や信仰のあり方が垣間見えます。

2号墳から7号墳

堂山古墳群では1号墳の他にも6基の古墳が確認されており、すべて古墳時代の後期に築かれたものとされています。これらの古墳は横穴式石室を主体としており、陶棺や木棺、さらには人骨などが出土しました。これらの古墳は、6世紀末から7世紀中頃にかけて築造されたと考えられています。

文化財としての重要性

堂山古墳群はその歴史的価値から、大東市が指定する文化財に指定されています。特に、1号墳から出土した遺物は考古資料として重要視されており、大阪府立近つ飛鳥博物館に保管されています。また、堂山古墳群は2012年に「堂山古墳群史跡広場」として整備され、一般の人々が訪れやすい環境が整えられました。

この古墳群は、大東市の歴史を知る上で欠かせない存在であり、多くの人々にその価値や魅力を伝えています。今後も研究が進められ、この地に埋もれた歴史がさらに明らかになることが期待されています。

もう一度検索