塚本重蔵

塚本 重蔵

塚本重蔵（つかもとじゅうぞう）は、1889年2月20日に兵庫県加古郡で生まれ、1979年2月21日に亡くなった、日本の著名な労働運動家および政治家です。彼は衆議院と参議院の議員をそれぞれ2期、1期務めたほか、大阪府豊中市の公選第2代市長としても活躍しました。

経歴

塚本は加古郡で塚本友一郎の三男として生まれました。初めは京都仏教中学校に通いましたが、卒業を果たせず、1914年には大阪府立西野田職工学校で機械製図科と発動機科を修了しました。その後、鐘紡京都絹糸工場で仕事を始め、徴兵を経て大阪鉄工所や舞鶴海軍工廠で働いた後に、大阪汽車製造会社に旋盤工として入社しました。ここで労働組合である友愛会に参加し、労働運動に従事しました。

1921年には大阪機械労働組合を設立し、その組合長に就任しました。これにより、労働争議の指導に重要な役割を担うようになりました。1927年には大阪府会議員に任命され、社会民衆党に所属しました。

1936年の第19回衆議院議員総選挙で社会大衆党の公認を受けて大阪府第三区から立候補し、当選。続く第20回総選挙でも再選され、2期にわたって衆議院議員として活動しました。

また、戦争中も様々な役職に就いており、社会大衆党中央委員や大阪社民病院理事などとして地域の発展に尽力しました。戦後は日本社会党に入党し、1947年の第1回参議院議員通常選挙に全国区から出馬し当選、参議院の厚生委員長を務めるなど、政治家としての活動を続けました。

1951年には豊中市長に選任され、1期の任期中に福祉施策の充実を図り、市民生活を優先する市政を進めました。特に福祉事務所や保育所、公設質屋などの設立や、市営住宅の建設、教育施設の整備を行い、市民の生活向上に尽力しました。

市長退任後も、大阪農産物取締役会長や生活協同組合理事長として地域貢献を継続し、1965年には勲二等瑞宝章を受章しました。1979年に90歳で亡くなり、死後に従四位に叙されました。

著作

塚本重蔵は著作も残しており、『労働者のための退手法』を1937年に出版しています。この書は労働者の権利を顧みる重要な資料となっています。

彼の生涯は、労働の権利と市民福祉を追求する生涯であり、政治家としての活動が地域社会に深い影響を与えたことは否めません。

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