第19回衆議院議員総選挙

第19回衆議院議員総選挙の概要

第19回衆議院議員総選挙は、1936年2月20日に実施された、日本の帝国議会における重要な選挙です。この選挙は、衆議院の任期満了が近づく中で、岡田啓介首相の内閣に対する不信任案が提出されたことが契機となり、衆議院が解散された結果開催されました。解散は1936年1月21日に行われ、投票日は翌月の20日と定められました。

選挙背景と政治情勢

岡田内閣は、選挙の腐敗を是正するため、「選挙粛正」をスローガンに掲げた選挙粛正委員会令を設け、その運営の下でこの総選挙を行いました。この選挙は、全国各地での選挙活動に対する徹底的な監視と規制が伴い、買収や供応の取り締まりが強化されました。しかし、各政党はこの監視体制を意識しながら選挙進行に苦慮し、全体的に選挙粛正中央連盟の影響下で運営されているような様相を呈しました。

また、各政党は挙国一致の体制確立を訴え、野党である政友会も岡田内閣に対してその弱体を指摘する一方、軍部や革新官僚に対しては迎合する姿勢が見られました。

選挙結果

その結果、与党の立憲民政党が205議席を獲得し、第一党となりましたが、政友会は173議席を獲得し、鈴木喜三郎総裁が落選するという大きな打撃を受けました。この選挙の結果により、岡田内閣の政権基盤は安定すると見られましたが、選挙後わずか6日後に二・二六事件が発生し、内閣は総辞職の道をたどりました。

選挙の特徴として、北海道の色丹島で初めての総選挙が実施された点も特筆されます。

選挙データ

選挙は主に中選挙区制で、男性の普通投票が用いられました。選挙における有権者数は14,479,553人であり、466の議席が改選されました。以下は党派別の獲得議席数です。

• - 立憲民政党: 205議席 （総裁：町田忠治、幹事長：川崎卓吉）
• - 立憲政友会: 174議席 （総裁：鈴木喜三郎、幹事長：松野鶴平）
• - 昭和会: 20議席
• - 社会大衆党: 18議席 （委員長：安部磯雄、書記長：麻生久）
• - 国民同盟: 15議席 （総裁：安達謙蔵）
• - 諸派: 6議席
• - 中立（無所属）: 28議席

また、この選挙では初当選者数が122名おり、その内訳は立憲民政党が55名、立憲政友会が30名と、両党の新たな登場を示しています。

政治の動向や選挙制度の変化が深く反映された第19回衆議院選挙は、戦前日本の政治史において重要な一章を形成しています。その結果は後の日本の歴史においても大きな影響を及ぼすこととなりました。

もう一度検索