塚田穂高

塚田穂高：日本の宗教社会学者

塚田穂高氏(1980年-)は、日本の宗教社会学者として、伝統宗教、新宗教、そして宗教が政治に与える影響などを幅広く研究しています。現在、文教大学国際学部国際理解学科教授として教鞭を執る傍ら、清泉女子大学、國學院大學でも教職に携わっています。その専門性と実績から、日本宗教学会評議員、日本社会学会社会学評論編集委員会専門委員といった要職も務めています。

学歴とキャリア

長野県長野市に生まれた塚田氏は、東京学芸大学教育学部を卒業後、東京大学大学院人文社会系研究科に進学。同大学院において宗教学・宗教史学を専攻し、島薗進氏に師事しました。2010年3月に博士課程単位取得満期退学後、同年4月には國學院大學に助教として着任。2013年には東京大学より博士(文学)の学位を取得しています。

國學院大學在籍中には、日本文化研究所助教として活躍。その後、上越教育大学、兵庫教育大学へと転じ、助教、准教授を歴任しました。2019年4月からは清泉女子大学文学部非常勤講師も兼務し、2024年4月より現職の文教大学教授に就任しています。

研究と業績

塚田氏の研究は、宗教と社会、特に宗教と政治の関係性に焦点を当てています。2015年に発表した著書『宗教と政治の転轍点―保守合同と政教一致の宗教社会学』は、日本宗教学会賞を受賞し、高い評価を得ました。この著作は、日本の宗教と政治の複雑な相互作用を詳細に分析したもので、多くの研究者や関係者に大きな影響を与えています。

その後の著作『徹底検証 日本の右傾化』では、現代日本の政治状況における宗教的側面を鋭く分析。さらに、共著や編著においても、現代日本の宗教の多様な側面を多角的に考察した作品を発表し続けています。これらの著作は、宗教社会学分野における重要な貢献として広く認識されています。

学界における評価

塚田氏の研究業績は、学界において高く評価されています。櫻井義秀氏は『宗教と政治の転轍点』について「基本的な研究書、啓発的な書籍」と評し、原武史氏は同書を「著者の勇気と行動」によって実現された、高く評価されるべき研究だと述べています。これらの評価は、塚田氏の研究の独創性と社会への貢献を示すものです。

主要な著書

『宗教と政治の転轍点―保守合同と政教一致の宗教社会学』（花伝社、2015年）
『徹底検証 日本の右傾化』（筑摩書房、2017年）
『宗教と社会のフロンティア 宗教社会学からみる現代日本』（勁草書房、2012年、共著）
『近現代日本の宗教変動 ─ 実証的宗教社会学の視座から』（ハーベスト社、2016年、共著）
『近現代日本の民間精神療法―不可視なエネルギーの諸相―』（国書刊行会、2019年、編著）
『だから知ってほしい「宗教2世」問題』（筑摩書房、2023年、編著）

まとめ

塚田穂高氏は、多岐にわたる活動と、宗教社会学分野における重要な貢献で知られる第一線の研究者です。宗教と政治、そして現代日本の社会構造を深く考察する氏の研究は、今後の日本社会を考える上で重要な示唆を与え続けています。その研究活動は、学術論文や著書を通してだけでなく、学会活動や教育活動を通じて、広く社会に発信され続けています。今後も氏の更なる活躍が期待されます。

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