塩屋 (軽質油運搬艦)

塩屋 (しおや)

塩屋は日本海軍に属する給油艦であり、軽質油運搬艦としての役割を果たしていました。この艦は足摺型給油艦の2番艦であり、艦名は福島県小名浜港北東に位置する塩屋埼に由来しています。

艦歴の概略

仮称艦名「第220号艦」として1941年に三菱重工業長崎造船所で建造が始まり、1943年11月9日に竣工しました。竣工当日には佐世保鎮守府に所属し、連合艦隊に配属されました。

艦の活動は記録が限られているものの、1944年の初めには特務艦「足摺」と特設運送船「興川丸」と共に臨時M船団を編成し、高雄から出港しました。この船団はマニラまで同行し、1944年1月9日に無事到着しました。その後、タラカン島を経由して同年1月15日にバリクパパンに到着しました。

塩屋は以降、バリクパパンとダバオ間の軽質油の輸送に従事し、1944年5月には「第30号掃海艇」と行動を共にしました。5月4日にバリクパパンを出港し、5月6日にダバオに寄港。その後はサンボアンガを経由してセブ島に向かい、5月14日にセブを出港しましたが、潜水艦を発見し、辛うじて攻撃を回避しました。バリクパパンには5月16日に戻りました。

5月23日には再度ダバオへ向けて出港しましたが、翌日は潜水艦の攻撃を受け、同艦および哨戒機と協力して反撃し、無事ダバオに到着しました。

沈没とその後

6月7日、塩屋はバリクパパンを出港しましたが、次の日の午後、セレベス海でアメリカの潜水艦「ラッシャー」に発見されました。「ラッシャー」は塩屋を誤って浅間型練習艦と認識し、魚雷を6本発射しました。5本の命中判定を受けた塩屋はこの攻撃によって沈没しました。艦は1944年8月10日に除籍されました。

歴代艦長

この艦にはいくつかの艦長が就任しました。艤装員長兼任の木岡蟻志松大佐は1943年10月から11月まで任務にあたり、その後は池内正方大佐が11月9日まで、池内大佐は1944年2月まで、佐藤述大佐が6月まで艦長を務めました。

同型艦

塩屋と同型の艦船には、足摺があります。

参考文献

北太平洋の複雑な海戦や艦艇の動きについては数多くの資料が存在しています。これらの情報は主にアジア歴史資料センターや各専門書から得ることができます。特に防衛研究所の資料は、当時の戦闘や艦船の運用に関する貴重なデータを提供しています。

塩屋の歴史は日本海軍の一羽翼を担った艦船として、戦局に寄与した重要な一例とされています。

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