塩屋駅 (兵庫県)

塩屋駅：神戸の地に歴史を刻む駅

兵庫県神戸市垂水区塩屋町に位置する塩屋駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）山陽本線の駅です。JR神戸線として親しまれ、多くの利用客で賑わう、歴史と文化が息づく駅舎は、地域のシンボルとして人々の生活に深く根付いています。

歴史を紐解く：明治から現代へ

塩屋駅の歴史は古く、1896年（明治29年）、山陽鉄道塩屋仮停車場として開業しました。当初は旅客と貨物の両方を扱っていましたが、1943年（昭和18年）に貨物取扱いは廃止されています。その後、山陽鉄道の国有化、駅への昇格、電化など、幾多の変遷を経て、1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化によりJR西日本の駅となりました。

1995年（平成7年）の阪神・淡路大震災では営業を一時休止しましたが、その後復旧し、現在に至ります。近年では、自動改札機の設置（1997年）、ICOCA対応（2003年）、駅ナンバリングの導入（2018年）など、利用者の利便性向上のための改修工事が行われてきました。また、2022年にはみどりの窓口が営業を終了しています。

駅舎と設備：利用者の利便性を追求

塩屋駅は、電車線のみの相対式ホーム2面2線を有する橋上駅です。分岐器や絶対信号機がないため、停留所に分類されます。ホームへのアクセスは階段が主ですが、エレベーターも設置され、バリアフリーにも配慮されています。自動改札機は3台設置され、ICOCAなどのICカードも利用可能です。JR西日本交通サービスによる業務委託駅であり、一部時間帯は無人となります。

利用状況と周辺環境：静寂と活気の共存

2022年度の1日平均乗車人員は約5,394人です。駅周辺は、南側が国道2号線に面し、北側は閑静な住宅街が広がるという、対照的な景観を呈しています。第二次世界大戦中の空襲を免れた地域であり、駅周辺には戦前から続く古い住宅も残されています。特に塩屋町6丁目周辺は、神戸港開港時に外国人居留地として栄えた歴史があり、「第2の北野町」とも呼ばれる風光明媚なエリアです。

アクセスと周辺情報：公共交通機関と地域連携

駅からは、塩屋地区のコミュニティバス「しおかぜ」が運行しており、地域住民の足として活躍しています。運行時間帯や曜日により運行本数が変わるため、利用の際は時刻表をご確認ください。隣接駅は須磨駅と垂水駅です。新快速や快速は通過するため、普通列車を利用する必要があります。

まとめ：歴史と未来が交差する駅

塩屋駅は、長い歴史と豊かな自然に囲まれた、魅力的な駅です。古き良き時代の面影を残しながらも、現代的な設備も整えられており、地域住民や観光客にとって重要な拠点となっています。これからも、地域社会の発展に貢献し続ける存在として、その役割を果たしていくことでしょう。

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