尾原ダム

尾原ダムについて

尾原ダム（おばらダム）は、島根県雲南市に位置する重力式コンクリートダムで、高さ90メートルを誇ります。このダムは、国土交通省中国[[地方整備局]]が主導し、2012年に完成しました。尾原ダムは、一級河川である斐伊川の本流上流部に設置された特定多目的ダムであり、主に洪水防止と水道供給を目的としています。また、このダムによって形成された人造湖は「さくらおろち湖」と名付けられ、地元に親しまれています。

地理的背景

斐伊川は島根県の東部に流れる約153キロ[[メートル]]の一級河川で、流域面積は約2,540平方キロ[[メートル]]です。斐伊川は中国山地を水源とし、西から北に流れ、簸川平野を経て宍道湖へ注ぎます。古くから、斐伊川は「暴れ川」とも称され、その地域では洪水による被害が度重なっています。江戸時代から続く洪水の影響で流路が変わり、宍道湖に流入する今の形が形成されました。

ダムの建立の背景

尾原ダムの建設は、1972年に発生した昭和47年7月豪雨を受けて始まりました。この豪雨では多大な被害が出て、特に松江市が浸水するなどの深刻な状況に陥りました。これを受けて、国土交通省は斐伊川水系全体の治水対策を強化するため、尾原ダムを含む水系の整備計画を策定しました。

尾原ダムの計画と目的

尾原ダムは洪水調節を主な目的としており、計画上は毎秒900立方メートルの流量抑制を見込んでいます。他にも不特定利水や上水道供給も目的とされており、松江市や出雲市への上水道としても活用されます。総貯水容量は約7,320万立方メートルに達し、開発が進む中で最も重要な治水対策に特化した設計がされています。

環境への配慮と地域の取り組み

尾原ダムの建設が進む中、地元住民との調整も重要な課題でした。ダム建設に伴い、66戸が水没対象となり、移転を余儀なくされた住民との補償交渉は、長い時間を要しました。しかし、地域住民との協力を経て、最終的に「さくらおろち湖」としてダム湖の名称も決定しました。自然環境保護の観点からも、周辺の植樹活動や教育プログラムが進められています。

尾原ダムへのアクセス

尾原ダムへのアクセスは、松江自動車道三刀屋木次インターチェンジから行くことができます。片側1車線の快走路を進み、平田大橋手前の交差点を左折するとダムに至ります。ダムの工事現場は展望台からも見渡すことができ、訪れる観光客にとっても注目のスポットとなっています。

結論

尾原ダムは島根県における治水・利水の要として重要な役割を果たすダムです。その建設には地元住民との協力や環境への配慮が求められており、地域活性化に向けた取り組みも進められています。今後も、尾原ダムが地域に貢献し続けることが期待されています。

もう一度検索