増子女王

増子女王（ますこじょおう）

増子女王は、1711年（正徳元年）に生まれ、1733年（享保18年）に23歳で亡くなった江戸時代中期の女性です。江戸幕府第9代将軍・徳川家重の正室であり、伏見宮邦永親王の第4王女として生まれました。幼名は比宮（なみのみや）、院号は證明院（しょうめいいん）と称します。また、諱を培子と記された資料も存在します。家重の父である徳川吉宗の紀州藩主時代の御簾中（正室）であった理子女王は、増子女王の叔母にあたります。

結婚と短い生涯

1731年（享保16年）、増子女王は徳川家重と結婚し、江戸城西御丸に入りました。御簾中様と呼ばれ、将軍の正室として遇されました。結婚の翌年には、家重と共に船で隅田川を遊覧するなど、夫婦仲睦まじい様子が伺えます。

しかし、1733年（享保18年）に増子女王は懐妊しますが、9月11日に早産となり、生まれた子供はすぐに亡くなってしまいます。増子女王自身も産後の肥立ちが悪く、10月3日に23歳という若さでこの世を去りました。

増子女王の死後、寛永寺に葬られ、従二位が追贈されました。戒名は證明院智岸真恵大姉です。夫である家重は、その後二度と正室を迎えることはありませんでした。増子女王の死は、家重にとって大きな悲しみであったと考えられます。

増子女王が登場する作品

増子女王は、その生涯がドラマや漫画で描かれています。

NHK大河ドラマ
八代将軍吉宗（1995年） - 畠田理恵が演じました。
民放テレビドラマ
大奥（1968年、関西テレビ） - 佐々木愛が演じました。
影の軍団Ⅱ（1981年、関西テレビ） - 賀田裕子が演じました。
漫画
大奥 - よしながふみによる漫画作品に登場します。

関連事項

伏見宮：増子女王が生まれた家系です。

参考文献

* 「幕府祚胤伝」（『徳川諸家系譜』第2巻、続群書類従完成会）

増子女王は、短い生涯ではありましたが、徳川家重の正室として、また、悲劇的な運命を辿った女性として、後世に語り継がれています。

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