夏威

夏 威の生涯

夏威（かい）は、中華民国の軍人として数々の戦闘に参加し、多大な功績を残した人物である。彼は新広西派の有力な指揮官であり、国民革命軍に属していた。夏は、北伐、日中戦争、国共内戦といった歴史的な戦争に携わり、その時々の政治情勢の中で目立つ役割を果たした。

生い立ちと教育

夏威は、広西の郷紳の家庭に生まれた。1910年、彼は広西陸軍小学に入学し、後に黄紹竑や白崇禧などの著名な戦士と共に学び、彼らと親しい関係を築く。辛亥革命が起こると、夏は革命派の学生軍に加入し、名を馳せることとなる。中華民国成立後は南京に移り、陸軍第2予備学校でさらに軍事教育を受ける。1915年には保定陸軍軍官学校に入校し、1920年に卒業。その後、彼は広西に戻り、旧広西派で順調に昇進していく。

新広西派のリーダーシップ

1924年、夏は新広西派の活動に参加し、国民革命軍の一員として南寧の占領作戦に従事。その結果、新広西派の統一戦争において重要な役割を果たし、1926年には第7軍の旅長に任命される。彼のリーダーシップの下で、北伐にも参戦し、呉佩孚指揮下の北京政府軍を相手に数々の勝利を収める。さらに、華中へ進軍することで部下の評価も高まるが、そこに蔣介石による薩桂戦争が待ち受けていた。

蔣桂戦争での試練

1929年、蔣桂戦争において、夏は自身の不徳により部下の反乱に遭遇する。この時、酒に溺れていた彼は、蔣介石に買収された部下たちによって簡単に討伐され、香港へ逃亡することとなった。彼の軍事キャリアにおけるこの失態は、彼にとって大きな試練となった。

日中戦争とその後

夏威は戦後、広西省に戻り、南寧の軍事学校の校長を務める。その後、国民革命軍第15軍の副軍長、そして軍長となる。彼は長征中の紅軍に対しても指揮を執った。しかし、日中戦争が勃発すると、彼は広西綏靖公署主任として浙江地区の軍を指揮することとなった。

1939年、日本軍が広西省に侵攻してくると、彼は迎撃に成功するも失敗も伴って戦局は不利に進展。最終的には桂林を喪失し、撤退を余儀なくされる。

国共内戦と最期

戦後、夏は安徽省の政府主席に任命され、国共内戦に備えた。しかし、人民解放軍が迫る中で、彼は無惨な結果を招き、最終的には海南島へと撤退することになる。彼はその後香港に移住し、1975年に自動車事故で亡くなるまで、波乱万丈な人生を送った。

著作物

夏威はまた著書を残しており、『民生主義經濟共管制』や『大同世界之理想與實際』など、戦争だけでなく思想家としての顔も持っていた。

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