黄紹竑

黄紹竑について

黄紹竑（こう しょうこう）は、中華民国及び中華人民共和国における著名な軍人であり政治家である。彼は国民政府に所属し、李宗仁や白崇禧と共に「新広西派」を代表する指導者の一人として知られる。

幼少期と教育

黄紹竑は裕福な地主の家庭に生まれ、幼少期から教育を受けた。桂林で兌沢高等小学を卒業後、1910年に広西陸軍小学に入学し、革命的な思想に触れることになる。そこで同じく後の指導者となる李宗仁との出会いもあった。

辛亥革命と軍歴の始まり

1911年には辛亥革命が勃発し、黄紹竑は学生軍として革命に参加する。1912年に武昌陸軍第2予備学校へ進み、続く1915年には保定陸軍軍官学校に入学している。この期間に彼は白崇禧や夏威とも学友となる。1916年に卒業後、広西省に戻り、広西新軍模範営に配属される。

新広西派の形成

1920年には粤桂戦争が起こり、広西軍が敗北。黄紹竑は百色地域に移駐し、この時期からさまざまな勢力との関わりを深める。1923年には李宗仁が指揮する定桂軍に参加し、白崇禧と共に新広西派の形成を助ける。1924年には新広西派と旧広西派の間で激しい戦闘が繰り広げられた。

政治的な成功と政権への移行

1925年に新広西派は広西を統一し、黄紹竑は広西省政府民政庁庁長に就任。以降、内政改革に尽力し、その成果から「新広西」の評判を高めた。1927年の上海クーデターでは共産党の粛清を命じるなど積極的な姿勢を見せ、さらに南昌起義の鎮圧なども指揮する。

蔣桂戦争とその後

しかし1929年、蔣桂戦争が勃発し、黄紹竑は李宗仁や白崇禧と共に香港へ逃れることになる。その後、混乱が続く中、彼は再び新広西派の指導者に返り咲き、1930年には反乱を指導した呂煥炎を撃破する。

戦間期の活動

その後の中原大戦では蔣介石軍が圧倒的であり、黄紹竑は広西省政府主席の職を辞して南京に移る。1931年には広州非常国会での反蔣運動に対抗する形で任命を受けるが、実際には現地には赴こうとはしなかった。

戦争とその後の政治動向

日中戦争が勃発すると、黄紹竑は再び政治的な役割を担う。彼は第2戦区副司令長官として、戦局の運営に取り組む。戦後、共産党との接触を試みるも、1946年に蔣介石によって省政府主席を罷免される。

晩年とその影響

1949年には国民党の代表として和平交渉に参加するが、協定が拒否されたため香港へ逃亡。晩年は中華人民共和国成立後も政務官や委員として務めるが、反右派運動や文化大革命により、被害を受け続けた。1966年、ついに彼は自ら命を絶つことになる。71歳での死去後、名誉は復活し、1982年には追悼会も行われた。

黄紹竑の生涯は、彼の軍事的及び政治的な業績だけでなく、当時の中国の激動の歴史を映し出すものであり、彼の遺産は今なお多くの人々に認識されている。

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