外松孫太郎

外松孫太郎：明治・大正期の陸軍軍人、財政を支えた名将

外松孫太郎(1847-1926)は、明治から大正時代にかけて活躍した日本陸軍の軍人であり、財政面を支えた重要な人物です。最終階級は陸軍主計総監（後に主計中将に相当）に上り詰め、貴族院議員、男爵にも叙せられました。紀州藩士の家に生まれ、藩士の養子として成長した彼は、明治維新後、陸軍省に入省。地道なキャリアを重ね、会計部門で着実に地位を上げていきました。

陸軍省におけるキャリアと日露戦争

陸軍省では会計軍吏から始まり、監督補、三等監督、二等監督と着実に昇進。1897年には経理局第1課長に就任し、その後、同局主計課長、経理局長兼会計監督長と要職を歴任しました。彼の能力は高く評価され、1903年には主計監に昇進。日露戦争勃発時には、その手腕を買われ、大本営野戦経理長官として出征しました。戦地においても、彼の経理に関する専門知識と経験は、軍の円滑な活動を支える上で欠かせないものだったと考えられます。

戦後の栄誉と政治活動

日露戦争での活躍により、1905年には主計総監に昇進。1907年には、その功績が認められ男爵位を授与されました。1909年には後備役編入となり、1914年に退役。軍務から退いた後も、その経験と人脈を生かし、政治の世界に進出しました。1909年から1926年にかけて貴族院議員を務め、国政にも貢献しました。

受賞歴と家族

彼の功績は数々の栄典に表れています。勲章や位階は、彼が陸軍においてどれほど重要な役割を担い、貢献したかを物語っています。瑞宝章、旭日章、金鵄勲章などを受賞。また、明治27・28年、明治37・38年従軍記章も授与されています。

私生活では、紀州藩士の娘を妻に迎えました。長男の亀太郎は陸軍大尉となり、孫には俳優の竹内良一（本名：外松良一）や女優の竹内京子（本名：外松百合子）がいます。三男と四男はそれぞれ、母方の波切家と紀州藩士の西村家を継いでいます。

まとめ

外松孫太郎は、華々しい戦場での活躍というよりも、日露戦争における軍の財政基盤を支えた影の立役者と言えるでしょう。彼の経歴は、地道な努力と能力が評価され、やがて高い地位と栄誉に到達できることを示しています。会計、経理の専門家として、そして政治家として、彼は日本の近代化に貢献しました。彼の功績は、現代においても忘れられるべきではありません。 彼の墓所は、紀州藩の菩提寺である池上本門寺にあります。彼の生涯は、明治・大正期の日本の歴史を理解する上で重要な視点を与えてくれます。

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