竹内良一

竹内良一：激動の生涯を送った俳優

竹内良一（たけうち りょういち）は、1903年11月13日に生まれ、1959年1月18日に没した日本の俳優です。本名は外松良一（とまつ りょういち）。旧芸名は竹内良作（たけうち りょうさく）でした。女優・岡田嘉子の元夫であり、実妹は舞台女優の竹内京子。祖父は外松孫太郎、男爵・外松亀太郎の長男として生まれました。

生い立ちと演劇への道

1903年、竹内は陸軍大尉で男爵の外松亀太郎と、混血の声楽家で日本女子大教師の大山たま子の長男として東京に誕生。学習院で学び、1924年に築地小劇場の演技研究生となります。千田是也らと共に演劇を学び、竹内良作の名で舞台に立ちました。

1925年、映画監督・村田実と映画研究家・森岩雄の渡欧に同行し、ベルリンで演劇を学びます。帰国後、村田の世話で日活大将軍に入社。芸名を竹内良一と改め、『彼をめぐる五人の女』に準主演。この作品で、後に妻となる岡田嘉子と出会いました。

岡田嘉子との駆け落ちと廃嫡

1927年3月、映画『椿姫』の撮影中に、竹内は岡田嘉子と駆け落ちし、世間を騒がせます。この事件により、岡田は日活を解雇されることになりました。二人は福岡県飯塚市で発見されますが、当初は別れさせられます。しかし、竹内の嘉子との結婚の意志は固く、男爵家から廃嫡されるに至ります。華族の礼遇を停止、従五位返上を命じられた上で、嘉子との結婚が許されました。

松竹入社と夫婦のすれ違い

1931年11月、竹内は松竹に入社しますが、嘉子が看板女優として人気を集める一方で、竹内は不遇の時代を送ります。夫婦関係には亀裂が入り、竹内は酒に溺れるようになり、1936年には別居に至りました。嘉子は竹内との夫婦生活の間にできた負債を引き受け、困窮した生活を送ることになります。

1938年1月3日、嘉子は演出家・杉本良吉と共にソ連へ亡命。一方、竹内は同年10月に女優・佐久間妙子と再婚しました。

戦時中の活動と晩年

戦時中、竹内は本名の外松良一として国策映画『秘話ノルマントン号事件　仮面の舞踏』（1943年）に出演し、外人役を演じました。戦後、東京都調布市に日本映画俳優学校を設立して教頭に就任。晩年は宗教に心の拠り所を求め、1959年1月18日、調布市内の生長の家の練成道場にて、信者仲間に看取られつつ脳溢血で亡くなりました。

主な出演作品

『彼をめぐる五人の女』 (1927年)
『蝕める春』 (1932年)
『天国に結ぶ恋』 (1932年)
『不如帰』 (1932年)

外部リンク

* 竹内良一 - 日本映画データベース

竹内良一は、華族出身でありながら、恋愛事件による廃嫡、戦後の映画俳優学校設立、そして晩年の宗教への傾倒など、波瀾万丈な人生を送った俳優でした。

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