外気圏

外気圏 (Exosphere) とは

外気圏は、地球大気の最外層であり、宇宙空間との境界を形成する領域です。他の惑星や月のように、厚い大気層を持たない天体では、地表に直接接する「表面境界外気圏（SBE）」が存在します。

地球の外気圏

地球の外気圏は、高度約500kmから10,000kmにまで広がっており、その下層には熱圏があります。外気圏からは、大気中の気体分子や原子が宇宙空間へと絶えず流出しています。この領域は、人工衛星が周回する軌道の一部、具体的には低軌道の上半分と中軌道の下半分に相当します。

ジオコロナ

外気圏の最外層は、主に水素とヘリウムから構成され、「ジオコロナ」と呼ばれています。ジオコロナは、地球から少なくとも約24万km（約38地球半径）以上に広がり、月軌道のさらに外側まで広がっていることが観測されています。

外気圏の特徴

宇宙へのガス流出: 外気圏では、大気の構成要素である原子や分子が、地球の重力を振り切って宇宙空間へ流出する現象が起きています。
人工衛星への影響: 外気圏は、人工衛星が周回する高度帯にも及んでいるため、衛星の軌道や寿命に影響を与えることがあります。特に低軌道衛星は、わずかながら存在する大気抵抗を受けるため、軌道が徐々に減衰することがあります。
希薄な大気: 外気圏は、非常に希薄な大気で構成されており、密度は極めて低い状態です。そのため、この高度では気象現象は見られません。
太陽活動の影響: 太陽活動が活発になると、外気圏の温度や密度が変化し、人工衛星の軌道にも影響を与えることがあります。特に太陽フレアやコロナ質量放出などの現象は、外気圏の状態を大きく変化させることがあります。

外気圏の重要性

外気圏は、地球大気の最外層として、宇宙空間との物質交換の場であり、地球環境を理解する上で重要な役割を果たしています。また、人工衛星の運用においても、外気圏の特性を考慮する必要があります。

関連事項

宇宙空間
ヴァン・アレン帯
熱圏
中間圏
成層圏
対流圏
* 大気圏外

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