箱崎ふ頭

箱崎ふ頭とは

福岡市東区に位置する箱崎ふ頭は、博多湾に面した人工島です。行政区画としては、箱崎ふ頭一丁目から六丁目までが存在し、その大部分が港湾施設として利用されています。1969年（昭和44年）から2003年（平成15年）にかけての埋め立てによって造成され、現在では物流、工業の拠点として重要な役割を担っています。

地理

箱崎ふ頭は、福岡市の中心部である天神の北側に位置し、東区の南端で海に面しています。埋め立てにより形成された土地であり、南と西は博多湾に接し、北は多々良川を隔てて香椎浜ふ頭、名島と、東は箱崎、貝塚団地と隣接しています。これらの地域とは、香椎かもめ大橋、名島弁天橋、汐井浜橋で結ばれています。

河川

箱崎ふ頭の北側には、複数の河川の河口が横断しています。これらの河川は港湾区域の一部として利用されています。

都市計画

福岡市都市計画マスタープランにおいて、箱崎ふ頭は流通・工業ゾーンとして位置づけられています。この地域は、流通機能の維持・向上と大型車両のスムーズな交通処理を重視したまちづくりが進められています。用途地域としては、商業地域、近隣商業地域、工業地域、準工業地域が指定されており、臨港地区にも指定されています。

歴史

埋立事業の背景

博多港は1899年（明治32年）に開港して以来、船舶の大型化と貨物量の増加に対応するため、埋め立てによる港湾施設の増強が進められてきました。昭和30年代に入ると、経済成長に伴い、国際貿易港としての発展を目指すための長期計画が求められました。

埋立計画の策定

1960年（昭和35年）には、「第一次博多港港湾整備5ヵ年計画」が策定され、箱崎地先の埋め立て計画が示されました。この計画では、商港としての機能だけでなく、工業港としての発展も目指し、臨海工業地帯の造成が計画されました。

その後、経済の急速な発展に伴い、港湾整備の必要性が高まり、「第二次博多港港湾整備5ヵ年計画」を経て、「第三次博多港港湾整備5ヵ年計画」が策定されました。この計画では、都市消費型工業の立地を促進し、岸壁や埠頭用地の背後に工業用地を配置することが計画されました。

埋立事業の実施

埋め立て事業は、資金調達等の課題がありましたが、1970年（昭和45年）の港湾法改正により、民間事業者の参入が可能になり、福岡市の第三セクターである博多港開発株式会社を窓口として、民間事業者が協力する体制で進められました。

昭和40年代の埋立

1969年（昭和44年）に埋め立て工事が開始され、1973年（昭和48年）までに合計2,842,665.27m2の埋め立てが完了しました。この埋め立てにより、現在の箱崎ふ頭一丁目から六丁目の基盤が形成されました。また、埋立地の基部には、箱崎漁港の代替施設として「箱崎船だまり」が建設されました。

昭和50年代の埋立

1980年代に入ると、海上コンテナ輸送が主流となり、博多港でもコンテナ化への対応が求められました。1982年（昭和57年）には、箱崎ふ頭5号岸壁のコンテナ化が完了し、国際海上コンテナ取扱量が急増しました。そのため、岸壁と埠頭用地の拡充が必要となり、1983年（昭和58年）には32,832.68m2の埋め立てが完了しました。

また、木材港としての機能強化のため、1983年（昭和58年）には90,477.61m2の埋め立てが完了しました。

平成一桁及び10年代の埋立

木材港の機能強化と福岡市内のごみ処理に対応するため、1997年（平成9年）と2001年（平成13年）に埋め立て工事が行われ、合計321,865.47m2の土地が造成されました。この埋め立て地の一部には「クリーンパーク・臨海」が建設されました。

人口

箱崎ふ頭一丁目から六丁目までの人口は、2021年12月末現在で1,586人です。

交通

鉄道

箱崎ふ頭には旅客輸送のための鉄道は通っていません。最寄りの駅は福岡市地下鉄箱崎線の箱崎九大前駅と貝塚駅です。貨物輸送には、JR貨物の福岡貨物ターミナル駅が利用されています。

バス

西日本[[鉄道]]のバスが運行しており、複数の停留所が設置されています。

国際航路

国際クルーズ客船の発着は、主に中央ふ頭クルーズセンターで行われますが、以前は箱崎ふ頭5号岸壁が利用されることもありました。

道路

福岡高速道路が通り、箱崎出入口と貝塚出入口が設置されています。また、複数の市道や臨港道路が整備されており、特に「箱崎ふ頭東大通り」「箱崎ふ頭西通り」「箱崎ふ頭南通り」「箱崎ふ頭中央通り」が主要な道路です。

施設

港湾施設

箱崎ふ頭には、給水施設、上屋、荷役機械、野積場、立体車両野積場、冷凍コンセント、水面貯木場などの港湾施設が整備されています。

公共施設

ごみ焼却施設「クリーンパーク・臨海」、福岡県中央家畜保健衛生所、汐井公園、箱崎ふ頭記念公園、福岡箱崎ふ頭郵便局などの公共施設があります。

物流施設

青果上屋や自動車立体野積場の背後には、多くの物流施設が立地しています。特に穀物、青果、自動車関連の施設が多く見られます。

工場

箱崎六丁目には、食品工業団地が形成されており、多くの食品関連工場が立地しています。共同利用施設も整備され、効率的な生産が行われています。

学校

箱崎ふ頭には学校は存在しませんが、小学校区は福岡市立箱崎小学校と福岡市立東箱崎小学校、中学校区は福岡市立箱崎中学校に属しています。

住宅

箱崎ふ頭の一部には、共同住宅や一戸建て住宅がまとまって立地しています。また、福岡市営箱崎ふ頭住宅などの公営住宅も存在します。

その他

有限会社博多港サービスセンターが運営されています。

まとめ

箱崎ふ頭は、福岡市の物流と工業を支える重要な拠点です。埋め立てにより造成された人工島であり、その歴史的背景や都市計画、交通網、施設などを理解することで、より深くその役割を理解することができます。

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