多久茂鄰

多久茂鄰（たく しげちか）

多久茂鄰は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した武士で、肥前国佐賀藩の藩士でした。多久鍋島家（後多久氏）の9代目当主として知られています。

生涯

宝暦9年（1759年）10月28日、7代目当主・多久茂堯の妾腹の三男として生まれました。幼名は龍三郎と称しました。正室には、神代鍋島茂真の長女である勝を迎えています。

安永5年（1776年）には、兄である茂孝の養子となり、家督を継ぐことになりました。天明元年（1781年）には、茂孝が病弱を理由に隠居したため、家督を相続し、多久鍋島家の当主となりました。

安永7年（1778年）には、藩の要職である当役（請役家老）に就任しました。天明7年（1787年）には、久留米藩との間で発生した境界争いの交渉役を任され、その功績により藩主から太刀と時服を賜りました。

しかし、文化11年（1814年）には、藩が大阪の借金先に対して発行していた空米手形が不渡りとなり、藩の財政が悪化した責任を問われることとなりました。この責任により、茂鄰は当役を罷免され、隠居を命じられ、家督を三男の茂澄に譲ることとなりました。

文政10年（1827年）5月14日、69歳で死去しました。菩提寺である円通寺に葬られています。

系譜

父：多久茂堯（1716-1769）
母：田中忠右衛門の娘
正室：勝 - 鍋島茂真の長女
子女（生母不明）
三男：多久茂澄（1811-1843）
女子：お橘 - 栄寿院、鍋島直堯の正室

参考文献

* 小城郡教育会編『小城郡誌』 - 国立国会図書館デジタルコレクション

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