多磨村

多磨村（たまむら）

多磨村は、かつて神奈川県、東京府、東京都に存在した村です。現在の東京都府中市東部に位置し、その名は府中市の地名として今も使われています。

歴史

沿革

1889年（明治22年）4月1日：町村制の施行により、上染屋村、下染屋村、常久村、押立村、小田分村、車返村、是政村、人見村が合併し、多磨村が発足しました。初代村長には糟屋新三が就任しました。
1893年（明治26年）4月1日：東京府へ移管されました。
1949年（昭和24年）9月1日：押立・常久の一部（多摩川右岸部出作地）が分離され、南多摩郡稲城町に編入されました。
1954年（昭和29年）4月1日：府中町、西府村と合併し、府中市が新設されたことにより、多磨村は廃止されました。

多磨村は、複数の村が合併して成立し、その歴史の中で所属する行政区が変遷しました。最終的には、府中市の一部となり、その歴史に幕を閉じました。

交通

多磨村には、以下の鉄道が通っていました。

京王帝都電鉄（現京王電鉄）
京王線：車返駅（現武蔵野台駅） - 多磨霊園駅
西武鉄道
多摩川線：多磨墓地前駅（現多磨駅） - 北多磨駅（現白糸台駅） - 常久駅（現競艇場前駅） - 是政駅

これらの駅は、現在の府中市内を結ぶ重要な交通手段であり、多磨村が存在した当時から地域住民の移動を支えていました。

主要な道路としては、以下のものがあります。

甲州街道
人見街道

これらの街道は、古くから地域を繋ぐ重要な役割を果たしており、多磨村の交通網の一部を形成していました。

行政

多磨村の歴代村長は以下の通りです。

糟谷新三：1889年6月～1893年12月
関田庄太郎：1894年2月～1894年11月
三岡勘蔵：1894年12月～1896年2月
川崎昌延：1896年3月～1898年7月
糟谷敬三：1898年7月～1902年7月
村野泰治：1902年10月～1910年10月
河内甚平：1911年10月～1916年10月
関田為作：1917年3月～1921年3月
高野健吉：1921年3月～1921年11月
糟谷義治：1921年11月～1934年5月
川崎昌隆：1934年6月～1938年6月
大久保亀太郎：1938年6月～1942年6月
高木賢司：1942年6月～1946年11月
糟谷蜜：1947年4月～1950年9月
小勝筆五郎：1950年11月～1951年3月
吉野力蔵：1951年4月～1954年3月

これらの村長が、多磨村の発展と運営に尽力しました。

名所・旧跡

多磨村には、以下の名所・旧跡があります。

多磨霊園
東京競馬場（大部分は府中町でしたが、井田是政の墓周辺は多磨村でした。）

これらの場所は、現在も多くの人々が訪れる観光スポットとなっており、多磨村の歴史を今に伝えています。

参考文献

東京書籍印刷株式会社 新版武蔵国府のまち府中市の歴史 府中市教育委員会
文一総合出版 わが町の歴史・府中 遠藤吉次
凸版印刷 府中の地理ガイドブック 東京都府中
光村教育図書株式会社 くらやみ祭り 猿渡盛文／綾部好男

関連項目

* 東京都の廃止市町[[村]]一覧

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