大マールキヤ経

大マールキヤ経について

『大マールキヤ経』は、仏教のパーリ経典である中部に収められている第64経です。この経典は、釈迦がマールキヤプッタをはじめとする比丘たちに仏法を説いている様子を描いています。また、同様のテーマを扱った漢訳経典には『中阿含経』の第205経「五下分結経」があります。これらの経典は、仏教の深い教義を理解するための重要な資料とされています。

経典の内容

『大マールキヤ経』では、釈迦がコーサラ国のサーヴァッティーにあるアナータピンディカ園、通称祇園精舎に滞在している際の教えが記されています。そこで釈迦は、比丘たちに対して「五下分結」と「四禅」、さらに「四無色定」と「五上分結」について詳細に説明しました。これにより、修行者が得られる解脱の様々な側面について、包括的な理解が得られます。

授けられた教え

特に注目すべきは、アーナンダと呼ばれる比丘が、禅定による解脱と智慧による解脱の違いについて釈迦に質問したシーンです。釈迦は、この違いは修行者の適正に応じて変わると説明し、個々の特性に応じた解脱の道を示唆しました。これに対して比丘たちは、その教えに歓喜し、深い感銘を受けたとされています。

ここでの教えは、仏教の教義がいかにして個々人の実践や理解に基づくかを示しており、修行を通じた自己の成長を重視する姿勢を表しています。

日本語訳

『大マールキヤ経』は、複数の日本語訳が存在し、以下のような著作が出版されています:

• - 『南伝大蔵経・経蔵・中部経典2』（第10巻） 大蔵出版による訳
• - 『パーリ仏典 中部（マッジマニカーヤ）中分五十経篇I』片山一良訳 大蔵出版
• - 『原始仏典 中部経典2』（第5巻）中村元監修 春秋社

これらの訳は、原典の意味を正確に伝えるための努力がなされており、読者が理解しやすいように工夫されています。

参考文献

この経典を理解するための参考には、関連項目が多数存在します。具体的には「五下分結」や「四禅」、「四無色定」、「五上分結」などの重要な教義が挙げられます。

また、外部リンクとして、Tipitaka.orgでの『Mahāmālukyasuttaṃ』の情報も有用です。仏教の教義や経典に関する理解を深めるために、ぜひ興味を持って学び進めてください。

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