大久保虎吉

大久保虎吉（1872年6月13日 - 1924年3月2日）は、日本の農業経営者、実業家、そして政治家として、激動の時代を生きました。衆議院議員としてもその名を刻んでいます。

生い立ちと自由民権運動への参加

高知県長岡郡本山村（現在の本山町）で、大久保克人と常子の長男として生を受けた虎吉は、早くから社会の動きに敏感でした。土佐自由党に加わり、自由民権運動に身を投じ、社会変革への情熱を燃やしました。

北海道開拓への挑戦

1893年、虎吉は武市安哉が組織した高知殖民会の趣旨に賛同し、新天地である北海道樺戸郡浦臼へと移住します。そこで開墾事業に従事し、厳しい自然環境と向き合いながら、北海道の開拓に貢献しました。その後も、天塩国中川郡ヒウカでの農場経営、上川郡美瑛村での牧場経営と、農業経営者としての手腕を発揮しました。

多角的な事業展開

1904年2月、虎吉は上川郡名寄に拠点を移し、木材業を始めます。その経営手腕は多岐にわたり、名寄倉庫取締役、天塩銀行監査役、士別電気取締役、開北炭礦取締役、士別商事取締役、士別軌道 (株) 社長、大久保木材 (株) 社長など、数々の要職を歴任しました。また、上川郡士別町会議員も務め、地域社会の発展にも尽力しました。

衆議院議員として

1920年5月、大久保虎吉は第14回衆議院議員総選挙に立憲政友会から北海道第八区に出馬し、見事当選を果たします。しかし、同年12月11日、大審院で当選無効の判決が確定し、短い期間で議員を退職することとなりました。

参考文献

衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
北海道図書出版合資会社編『北海道立志編 第5巻』再版、北海道図書出版合資会社、1909年。

大久保虎吉は、その短い生涯の中で、農業経営、実業、政治と、多岐にわたる分野で活躍しました。特に、北海道の開拓に尽力した功績は大きく、彼のパイオニア精神は、後世に語り継がれることでしょう。

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