大久保要

大久保要

大久保要（おおくぼ かなめ）は、江戸時代末期に活躍した土浦藩の志士です。

先祖

大久保氏の遠い祖先は藤原氏であり、三河国の大久保氏と同族とされています。戦国時代には北条氏政に仕え、武功を挙げた後に戦死したと伝えられています。その曽孫である満春の代から、北条氏の旧臣同士であった縁からか、土浦藩主の土屋氏に仕え始め、代々土浦藩に仕えることとなりました。

生涯

江戸で学問を修めた後、土浦藩に仕えます。天保8年（1837年）には、新設された藩校・郁文館の館頭に就任し、人材育成に尽力しました。嘉永3年（1850年）に藩主・土屋寅直が大坂城代に任命されると、大久保はその公用人として随行しました。

安政元年（1854年）には、ロシア船が大坂に来航した際、その折衝にあたりました。また、兵庫港の開港に際しては、畿内の目の前での開港となるため、藩主とともに非常に慎重な議論を要するとの立場を取り、その対応に奔走しました。

安政5年（1858年）5月には、大坂に滞在していた公卿・大原重徳と面会しています。安政の大獄においては、同年8月に薩摩藩士・有馬新七から戊午の密勅の内示を受けました。間部詮勝の入京直前には、勤皇僧・月照が京都を脱出した際、薩摩藩への海路を待つ間、月照と西郷隆盛を大阪の自宅にかくまいました。

尊王攘夷派の志士として幕府から嫌疑を受け、安政6年（1859年）10月には国元での永押込の処分を受け、そのまま土浦藩内で病没しました。

著書として「懐刀記」があります。

明治24年（1891年）には、その功績が認められ、従四位が追贈されました。

参考文献

* 「贈従四位靖齋大久保要君傳 贈従四位天山藤森恭助君傳」（岡田信之助 著 明治25年5月7日 伊沼爾助 発行兼印刷）

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