大保木村

大保木村の概要

大保木村（おおふきむら）は、愛媛県の東予地方にあった村で、1956年に加茂村や新居浜市の一部と共に西条市に合併し、自治体としては消えました。現在の西条市南端の位置にあり、四国山地の山々が広がり、また高知県との県境に接しています。

地理

大保木村は、石鎚山系の北山腹に位置し、加茂川の上流に広がる渓谷が特徴です。この川は支流を集めながら北へ流れ、黒瀬付近で方向を変え、兎之山付近に至ると流れは穏やかになり、ゆったりとした蛇行を描きます。その地域には河岸段丘が発達しており、自然の美しさが見受けられます。

近くにそびえる山には、石鎚山や瓶ヶ森、岩黒山、高森などがあり、これらの山々は自然愛好者にも知られています。加茂川はこの地域の重要な水源であり、村に豊かな自然環境をもたらしています。

村名の由来

村名「大保木」は、「崖」を意味する「ほき」に由来しているとされています。歴史的には、藩政期に「大保木山」と呼ばれていた時代がありました。

歴史

大保木村の歴史は、近世に遡ります。西条藩の領土内で、新居郡橘郷、氷見組に属し、当村を含む5つの村が「西五ヶ山」として知られていました。1664年には、農民たちが銀を藩に納めるために庄屋連名での血判状を提出しましたが、その結果、藩内での混乱が生じたこともありました。

藩政後半には、平地での農民たちがこの村の入会山に草を求めて入ることによる紛争が発生しました。明治に入ると、1889年には町村制が施行され、新居郡内の6つの村が合併して大保木村が誕生しました。

産業

大保木村は奥深い山地で、狩猟や薪炭の生産も行われていました。また、雑穀類や豆類、木材・竹材の生産を通じた生活が展開されていました。特に兎之山では、谷底平野や河岸段丘上での米作りも行われていました。

交通

鉄道は通っておらず、村の主要な交通路は県道西条久万線と県道石鎚伊予小松停車場線です。これにより、交通の便は限られていました。

現在の状況

大保木村は1956年に地域として消滅し、現在は西条市の一部として残っています。大保木村での歴史は、今でも多くの人々によって語り継がれており、地域の自然や文化が評価されています。また、合併後もその名は地域に刻まれており、多様な文化と交流の場となっているのです。愛媛県の歴史の中で忘れられない存在として、今なお記憶されています。

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