大内義綱

大内義綱（おおうち よしつな）

大内義綱は、生没年不詳の戦国時代の武将であり、陸奥国安達郡小浜城を拠点とした。別名を定頼といい、大内定綱、片平親綱の父としても知られる。備前守と称した。

経歴

大内氏は元々、塩松氏の重臣という立場であった。しかし、義綱は天文11年（1550年）に主君である塩松尚義を塩松城二の丸に幽閉するという大胆な行動に出る。これにより、石橋氏の実権を掌握し、勢力を拡大していった。永禄11年（1568年）には、田村氏と内通し、尚義を追放し、長年支配してきた塩松地方を手中に収めることに成功した。

その翌年、義綱は石橋氏の重臣であった宮森城主・大河内備中を攻め滅ぼし、その勢力をさらに拡大した。その後は田村氏の傘下に入り、田村氏の勢力拡大に貢献。天正4年（1576年）には、安積郡に侵攻し、片平城を攻略するなど、各地で活躍を見せた。

また、二本松市木幡に鎮座する隠津島神社の棟札によると、天正5年（1577年）には大檀那として神社の造営に尽力したことが記録されている。このことからも、義綱が地域社会に深く関わり、影響力を持っていたことがうかがえる。

『大内氏系図』によれば、天正11年（1583年）5月に87歳で没したと伝えられている。しかし、確実な史料に基づくものではないため、生没年については依然として不明な点が多い。

子の定綱の代になると、大内氏は田村氏から独立し、田村清顕とたびたび交戦するようになった。これは、義綱の時代に築き上げた勢力が、次の世代で新たな展開を見せたことを示している。

関連項目

隠津島神社 (二本松市)

脚注

参考文献

佐藤貴浩「大内定綱の動向と伊達氏」戦国史研究会 編『戦国期政治史論集 東国編』（岩田書院、2017年） ISBN 978-4-86602-012-9

もう一度検索