大内定綱

大内定綱：戦国を生き抜いた武将の生涯

大内定綱（おおうち さだつな）は、戦国時代の武将であり、陸奥国安達郡小浜城を拠点としました。その生涯は、周辺大名家との複雑な関係の中で、独立と帰属を繰り返す激動の時代を反映しています。

田村氏からの独立

大内氏は、元々石橋氏に仕えていましたが、定綱の父である義綱の代に田村氏の勢力下に入ります。定綱は当初、田村氏からの偏諱を受け「顕徳」と名乗っていました。しかし、田村氏家臣との争いをきっかけに、次第に独立を志向するようになります。

天正7年（1579年）、定綱は田村氏との手切れを宣言し、名を「定綱」と改めます。この独立に際し、蘆名盛氏を頼り、蘆名氏と同盟関係にあった伊達氏も定綱の独立を容認しました。

伊達氏への帰参と活躍

天正10年（1582年）、伊達輝宗が小斎城を攻略した際に定綱は伊達傘下に入り、対相馬戦などで活躍します。また、二本松義継の子に娘を嫁がせ、関係を強化しました。天正11年（1583年）には、田村氏と対立していた蘆名盛隆の支援を受け、田村清顕を破るなど勢力を拡大します。

しかし、天正12年（1584年）に伊達政宗が家督を継ぐと、情勢は一変します。政宗は田村氏に加担する方針に転換し、定綱は危機に瀕します。蘆名盛隆の暗殺後、伊達氏と蘆名氏の関係が悪化すると、定綱は米沢城の政宗を訪問し、出仕を申し出ます。当初政宗はこれを受け入れますが、後に約束を破棄したため、政宗は田村氏に加担し定綱を攻撃することを決意します。

天正13年（1585年）、政宗は定綱を攻撃し、小手森城で虐殺を行うなどしたため、定綱は小浜城を放棄し、二本松、そして会津の蘆名氏を頼ります。天正16年（1588年）の郡山合戦では蘆名氏の部将として苗代田城を攻略しますが、伊達成実の誘いに応じて弟の片平親綱と共に伊達氏に帰参しました。

伊達家臣として

伊達氏に帰参後、定綱は摺上原の戦いや葛西大崎一揆鎮圧、文禄・慶長の役などで功績を挙げました。天正19年（1591年）に政宗が岩出山城に転封されると、胆沢郡に所領を与えられ、前沢城主となります。

関ヶ原の戦いでは京都伊達屋敷の留守居役を務めました。子の重綱の代には、これらの功績により一族は家格を与えられました。

慶長6年（1601年）には、興化寺を再興し、興化山寶林寺と改名して菩提寺としました。慶長15年（1610年）、65歳で没し、前沢の小沢に葬られました。

人物と逸話

定綱は戦上手として知られ、調略にも長けていました。武術においては十文字槍を得物とし、槍術に優れていたと伝えられています。

まとめ

大内定綱は、戦国の turbulent な時代を生き抜き、周辺大名家との関係の中でその立ち位置を変化させながらも、最終的には伊達家臣として名を残しました。その生涯は、戦国時代の武将の典型的な姿を示すものと言えるでしょう。

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