田村清顕

田村清顕

田村清顕（たむら きよあき）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、陸奥国（現在の福島県）の戦国大名である田村氏の25代当主です。初代征夷大将軍・坂上田村麻呂の子孫と称しています。

生涯

田村清顕は、田村隆顕の嫡男として生まれました。父と同様に優れた武将として知られ、父の死後、家督を継ぎ当主となります。周辺の佐竹氏や蘆名氏といった大名家に対抗するため、娘である愛姫を伊達政宗の正室として嫁がせ、伊達氏の力を借りて自家の独立を維持しようとしました。

伊達氏と清顕の正室の実家である相馬氏との間で領土問題が発生した際には、佐竹義重、岩城常隆を仲介役として介入させ、伊達輝宗に圧力をかけ、相馬義胤から奪った丸森城を相馬氏に返還させることで両者の和睦を成立させました。この和睦には、相馬氏出身の清顕の正室である於北夫人の意向が働いたとされ、田村氏、相馬氏両家が伊達氏に対して一定の独立性を保っていたことを示唆しています。

また、織田信長とも交流があったようで、天正3年（1575年）の長篠の戦いでの活躍を信長から書状で賞賛されています。この時、清顕は大膳大夫の官位を得ています。

清顕には愛姫以外に男子がいなかったため、天正14年（1586年）に清顕が亡くなると、後継者をめぐって田村家中、伊達家、相馬家の間で争いが勃発します。最終的には伊達政宗の意向により、清顕の弟である田村氏顕の子、田村宗顕が後継者となりました。

系譜

父：田村隆顕（生年不詳 - 1574年）
母：伊達稙宗の娘
正室：於北 - 相馬顕胤の娘、相馬盛胤の妹
長女：愛姫（1568年 - 1653年） - 田村御前、陽徳院、伊達政宗正室
養子
男子：田村宗顕（1574年? - 1648年?） - 田村氏顕の子

関連項目

* 御代田合戦

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