大内返

大内返（おおうちがえし）

大内返は、柔道の投技である足技21本の一つです。1982年に講道館で正式名称として登録されました。講道館および国際柔道連盟 (IJF) での正式名であり、IJF略号はOUCです。

概要

大内返は、相手の技である大内刈を利用した返し技であり、後の先の技の一種です。相手の体勢の崩しや、刈り足の力が不十分な場合に有効となります。

返し方には主に二種類が存在し、どちらも技の名称は大内返となります。ここでは、受と自分（取）がともに右組の場合で解説します。
名称の経緯については、後の先を参照してください。

基本形：大内刈を小外掛で返す

相手（受）が大内刈で右脚で自分の左脚を内側から刈ってきた際、自分（取）は相手の掛けてきた脚をそのまま払い上げ、相手を後方または左側に投げます。技の形としては小外掛となるため、足技の大内返と記録されます。

相手の大内刈をすかしてからの場合は、小外掛として記録されます。また、小外刈で相手の大内刈に返し技として仕掛けた場合も、小外刈として記録されます。

変化

相手が大内刈で右脚で自分の左脚を内側から刈りにきたとき、自分は相手の軸脚の方を小外掛のように左足で刈って返す大内返も存在します。講道館の公式YouTubeチャンネルでも、この技が紹介されています。

大内すかし

大内すかしは、相手が大内刈で右脚で自分の左脚を内側から刈りにきたとき、自分はその足を浮かせて相手の刈り脚をかわし、相手が片足になり不安定になったところを右前隅、もしくは左前隅に大きく崩しながら引き落とす大外返です。

技の形としては手技の浮落であるため、この形で投げた場合は手技とするのが妥当であるとも考えられます。1982年の「講道館柔道の投技の名称」制定に向けて、講道館では新名称の候補に挙がったものの、採用には至りませんでした。柔道家の醍醐敏郎によると、「大内隙」または「大内刈隙」の名称で採用が内定していたものの、最終的には採用されなかったとのことです。別表記として大内透、大内隙とも呼ばれ、別名として大内刈隙とも呼ばれます。

脚注

YouTube KODOKANチャンネル

画像付き解説 柔道チャンネル

もう一度検索