大加島仮乗降場

大加島仮乗降場 (廃駅)

大加島仮乗降場は、かつて静岡県榛原郡本川根町（現在の川根本町）に存在した大井川鉄道（現・大井川鐵道）井川線の仮乗降場でした。長島ダムの建設に伴う井川線の路線変更により、その短い歴史に幕を閉じました。

歴史

1981年（昭和56年）8月1日：ひっそりと開業。
1990年（平成2年）10月2日：長島ダム建設に伴う路線変更により、わずか9年で廃止。

駅構造

単式ホーム1面1線の地上駅でした。特徴としては、枕木を組んで作られた簡素なホームがあるのみで、駅舎はおろか、駅名標すら設置されていませんでした。必要最低限の設備のみを備えた、まさに「仮」乗降場という名にふさわしい佇まいでした。

駅周辺 (廃止当時)

大井川：駅のすぐそばを流れる大井川。
西井戸トンネル：駅から千頭方面にあるトンネル。現在は遊歩道として整備されています。
第二大井川橋梁：ワーレントラス橋。路線変更後に撤去され、現在は存在しません。現在のしぶき橋がほぼ同じ位置に架かっています。
寄倉トンネル：駅から井川方面にあるトンネル。こちらも現在は遊歩道として利用されています。トンネルの井川側は長島ダム堤体の直下に位置していたため、トンネル全体の約3分の1が現存しています。

廃止後の現状

駅跡は、現在の長島ダムのほぼ直下、しぶき橋の南側の岸付近に位置しています。しかし、長島ダム建設の際に西井戸トンネルから寄倉トンネルまでの区間周辺の路盤が削られたため、残念ながら駅跡を示す痕跡は残っていません。

隣の駅 (廃止当時)

大井川鉄道

井川線

川根市代駅 - 大加島仮乗降場 - 川根唐沢駅

参考文献

宮脇俊三・原田勝正編 『全線全駅鉄道の旅5 東海道JR私鉄1900キロ』（小学館 1990年、 ISBN 4-09-395305-8）
今尾恵介監修 『日本鉄道旅行地図帳7号 東海』（新潮社 2008年、 ISBN 978-4-10-790025-8）
『新鉄道廃線跡を歩く』(JTBパブリッシング2010年)

関連項目

日本の鉄道駅一覧
仮乗降場 - 日本国有鉄道のもののみ記述。

大加島仮乗降場は、その短い生涯を長島ダム建設という時代の流れに飲み込まれました。しかし、その存在は、大井川鐵道井川線の歴史の一部として、今も静かに語り継がれています。

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