大原八幡宮

大原八幡宮について

大原八幡宮（おおはらはちまんぐう）は、九州の大分県日田市に位置する神社です。この場所は、市内で最大規模を誇る八幡宮で、通称「大原神社」とも呼ばれています。また、別名として「大波羅八幡宮」とも表記されます。

祭神について

この神社には、誉田別命（ほんだわけのみこと）、大帯姫命（おおたらしひめのみこと）、比売大神（ひめおおかみ）が祭られています。これらの神々は、地域の人々に大切に奉られ、数多くの信仰をあつめています。

歴史の変遷

大原八幡宮の歴史は、天武天皇白鳳9年（680年）に遡ります。この年、日田地域に住む人々が「宇佐の鷹の居の社」と名乗る神が現れたことが記録されています。この神によって「鞍形尾の宮」が建てられ、神社の基盤が築かれました。その後、慶雲元年（704年）には、杉原の杉の下に神が降臨し、「岩松の峰の神」として村の女性に顕現しました。この出来事が大原八幡宮の前身である杉原宮の設立を導いたと言われています。

さらに、貞観13年（871年）もしくは仁寿2年（852年）には、当時の日田郡の支配者である大蔵永弘によって、杉原宮から現存する元宮に神が遷座されました。その際、宇佐神宮から神職の橋本公則が迎えられ、神社の運営が強化されました。

時が経つと、建久4年（1193年）には大友能直によって、日田地区の2つの主要な八幡宮、すなわち東の柞原八幡宮と西の大原八幡宮が正式に整備され、特に鎌倉時代の鶴岡八幡宮の参拝礼式に従うことが決まりました。

また、元和10年（1624年）には、日田永山城主である石川主殿守忠総によって現在の位置へ遷座。社殿には八幡造の形式が用いられ、屋根には権現造の特徴が観られます。このように、遷座前の来宮は「元大原神社」または「元宮神社」としても知られており、現在も江戸時代中期に再建された社殿が残存しています。

また、1935年に就役した大日本帝国海軍の最上型重巡洋艦「三隈」は、日田盆地を流れる同名の三隈川に由来して名付けられ、この艦に設けられた神社は大原八幡宮から分祀されたものです。

社殿の構造

大原八幡宮の社殿にはさまざまな建築様式が反映されています。

• - 本殿: 入母屋造で銅板を葺き、方3間の広さで構成されています。
• - 幣殿: 切妻造で、正面には3間、背面には1間、側面には2間の構成です。
• - 拝殿: 入母屋造で銅板葺き、桁行5間、梁行3間を有し、向拝には3間、千鳥破風、かつ軒唐破風が付いています。
• - 楼門: 本瓦葺きの入母屋構造で、3間1戸を備えています。

最も古い建物である楼門は貞享4年（1687年）に建設され、拝殿・幣殿・本殿は寛政6年（1794年）の築造が伝えられています。

文化財の指定

大原八幡宮には重要な文化財も存在します。その中でも、選択無形民俗文化財として「大原八幡宮の米占い行事」が平成11年（1999年）12月3日付けで選定されています。また、日田市により指定されている有形文化財には、楼門、拝殿、幣殿、本殿が含まれ、平成元年（1989年）11月22日付けで指定されています。

このように、大原八幡宮はその歴史や文化的価値から、地域の信仰の中心だけでなく、訪れる人々にとって重要な文化遺産となっています。

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