大友頼泰

大友頼泰

大友頼泰（おおとも よりやす）は、鎌倉時代中期に活躍した武将であり、御家人。大友氏の3代目当主として知られています。

生涯

貞応元年（1222年）に大友親秀の嫡男として誕生しました。嘉禎2年（1236年）には父・親秀から家督を譲り受け、大友氏の当主となります。

頼泰が歴史資料に初めて登場するのは、仁治三年（1242年）のことです。「六波羅御教書案」や「六波羅御教書写」に「大友式部大夫殿」としてその名が記されています。実名である「泰直」が初めて確認できるのは、その5日後の2月18日に第3代執権・北条泰時から出された「関東下知状案」においてです。この頃までに、泰時（同年6月に死去）から偏諱を受け、元服を済ませていたと考えられています。

建長5年（1253年）7月30日の「関東下知状案」までは「大友式部大夫泰直」と名乗っていましたが、同8年（1256年）8月には「頼泰」へと改名しています。この3年の間に改名が行われたことがわかります。当時の幕府の将軍は宗尊親王、執権は第5代・北条時頼であり、時頼から偏諱を受け改名したものと推測されています。

それまでは御家人として京都や鎌倉で活動していましたが、第8代執権・北条時宗の時代になると、元寇の危機が深刻化。頼泰は幕命により鎮西 восточного奉行に任命され、文永9年（1272年）には豊後国へ下向し、少弐氏と共に九州の軍政を担うことになります。

文永11年（1274年）の文永の役では、鳥飼潟の戦いにおいて元軍を破り、その侵攻を阻止する活躍を見せました。弘安4年（1281年）の弘安の役では、志賀島の戦いで奮戦し、金方慶や洪茶丘らが率いる元軍に大勝。元軍を志賀島から駆逐する功績を挙げました。その後、高齢を理由に隠棲したと伝えられています。

正安2年（1300年）9月17日、相模国において79歳で死去。頼泰の時代に、大友氏は本貫地である相模国大友郷から豊後国へと移住・土着し、豊後の豪族的領主として、そしてその後の守護大名・戦国大名として、北九州に勢力を拡大していく基礎を築いたのです。

参考文献

安田元久編『鎌倉・室町人名事典コンパクト版』（新人物往来社、1990年）
渡辺澄夫『増訂 豊後大友氏の研究』（第一法規出版、1982年）
芥川龍男『戦国史叢書9 豊後大友氏』（新人物往来社、1972年）
竹内理三『鎌倉遺文』（東京堂出版）

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