大塚山古墳 (河合町)

大塚山古墳の概要

大塚山古墳（おおつかやまこふん）は、奈良県北葛城郡河合町川合にある古墳で、その形状は前方後円墳です。馬見古墳群の一部を構成し、特に重要な古墳として国の史跡に指定されています。

位置と規模

この古墳は全長が215メートルまたは197メートルで、後円部の直径は108メートル、高さは15.8メートル、前方部の幅は123メートルで高さは16.9メートルに達します。河合町川合に位置し、前方部は南を向いた三段築成の形をしています。墳丘は良好に保存されており、周濠の跡は農田となっていますが、盾形の周濠の痕跡は明確です。

古墳群の一部

大塚山古墳は、馬見古墳群の北部に位置する大塚山古墳群の中心的な役割を果たしています。この群には8基の古墳があり、前方後円墳、方墳、円墳などさまざまな形状の遺構が存在します。その中でも、大塚山古墳は規模が大きく、重要な遺跡の一つとされています。

考古学的調査

現在までのところ調査が行われていないため、具体的な埋葬施設については不明です。しかし、墳丘からは葺石や円筒埴輪の存在が確認されています。出土した遺物には円筒埴輪、朝顔形埴輪、形象埴輪（家形埴輪の一部で小型の盾が附属したもの）、盾形埴輪、蓋形埴輪、さらに須恵器を模した土師器などが含まれています。これらの遺物から、古墳の築造年代は5世紀中頃から後半と推定されています。

また、大塚山古墳は奈良盆地内では最大級の古墳で、その歴史的価値は計り知れません。

史跡指定と事件

1956年12月28日、周辺の古墳を含む大塚山古墳群が一体として国の史跡に指定されました。この指定により、文化財の保護が強化されました。

しかし、2020年4月27日には、墳丘の一部が不法に掘り返され、円筒埴輪が持ち去られる事例が発生しました。一部は後に壊れた状態で戻され、別の一体は接着剤で修復された状態で戻されました。このような行為は文化財保護法に反するとされ、調査が行われました。事件の結果、6月12日に地元の子供たちが無邪気にタケノコ掘りをしている中で起きたことが発表されました。

参考文献と関連情報

大塚山古墳に関する資料として、1989年に発行された『日本古墳大辞典』があり、本古墳に関する詳しい情報が記載されています。また、河合町教育委員会による『史跡大塚山古墳群整備基本計画書』により、今後の保護と整備の計画が示されています。大塚山古墳をはじめとする地域の古墳群は、奈良文化の象徴として訪れる人々に多くの歴史的知識を提供しています。

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